中国では、薬剤師資格を持たなくても調剤ができる。コンビニで風邪薬を買うことができない日本では考えられないような話だが、それは薬剤師資格制度が整備されていなかったという事情がある。
2月22日、中国執業薬剤師協会が主催する第1回全国薬剤師代表大会及び薬剤師協会設立大会が北京で開催された。会議では、薬剤師協会規則について審議・承認されたほか、国家薬品監督管理局の副局長である張文周氏が初代会長に選ばれた。また、薬剤師協会の設立の趣旨については、「薬剤師の法的権利を保護することや、市場経済の時代が求める高度な薬剤師業務を遂行するため、薬剤師協会の存在が不可欠である」と説明した。
同協会は当面、以下のような事業を実施していく予定。
- 薬剤師に関するデータの統計、臨床薬学業務の展開
- 医薬品業界や一般国民に薬学情報・健康知識の提供サービスの実施
- 薬剤師の生涯教育、資格試験及び養成の推進
- 国内・国外の薬剤師学術交流の促進
- 薬剤師の行為規範及び職業モラルの強化
- 薬剤師のネットワークの構築、学術刊行物の発行
中国政府は医薬分業を推進する目的で、1994年から薬剤師資格制度を発足させた。その後、制度が着々と浸透し、毎年薬剤師国家試験が行われている。資格を有する薬剤師数も徐々に増えており、2002年12月現在7万8700人となり、2005年には15万人に達する見込みである。しかし、約12万店舗(薬局・薬店)にも及ぶ中国の医薬品小売流通業では、薬剤師不足が深刻化している。
薬剤師法を制定するため、国家薬品監督管理局はすでに薬剤師法の立法検討委員会を発足し、今年の8月までに薬剤師法(草案)を国務院に提出する予定。今後、薬剤師法の成立に向けて、期待される薬剤師の質も高くなるだろう。
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