中国政府は9月28日、国家基本医療保険医薬品リストに収載されているセフロキシムやレボフロキサシンなどの22成分に対して薬価引き下げを行った。これは前年度に続いて2年連続の薬価引き下げとなり、特に使用量の多い抗生剤がダウンの対象となっている。
今回の薬価引き下げでターゲットにされたのは、公定価格の288品目と、外資系製薬企業が多く占められている単独価格の80品目である。
公定価格の平均引き下げ率は40%で、最高64%も引き下げられた品目がある一方、単独価格の引き下げ率は10〜40%となっている。中国政府は、「これらの製品は薬価が高い」と判断したため、薬価の引き下げに踏み切ったものと見られている。
今回の薬価引き下げに当たって、中国化学製薬工業協会や中国医薬商業協会などの業界団体から、「明確な根拠が乏しく、市場実勢価格の調査結果を公表すべき」という意見が出された。また、日欧米の外資系製薬企業を中心とする中国研究開発製薬企業協会も「薬価改定根拠の透明性や改定プロセスの透明性」を中国政府に強く求めた。
しかし、これまで経験したことのない“猛反発”を受けた中央政府は10月18日、直ちに国家発展改革委員会内に「医薬品価格評価審議センター」を設立した。同センターは主に、(1)医薬品生産コストの調査、(2)市場実勢価格の調査、(3)薬価に関する管理規定・制度・政策の制定などの業務に乗り出すとしている。
中国では、ここ数年間で度重なる薬価引き下げを実施したにもかかわらず、「薬価の高い」現状が一向に改善されていない。今後、中国政府は製薬企業に対して更なる厳しい薬価政策を下すことが予想されている。
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