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2003/03/3

“また期待ね”と言わせる秘訣

長引くデフレ不況のお陰で2002年度の消費者物価指数(前年比0.9%下落)は3年連続下落、おまけに勤労者世帯の消費支出(実質0.2%減)も5年連続減少する中、東京ディズニーランド、ディズニーシーの入園料だけ下がらないのは、「何故だろう〜」。逆に、デフレ不況を逆手にとって急成長を遂げてきた日本マクドナルドホールディングスや「ユニクロ」でお馴染みのファーストリテイリングなど“デフレ勝ち組”の業績が失速しているのは、「何故だろう〜」。

今回は、お笑いコンビ「テツandトモ」のフレーズに合わせて、「また、買いたいね!」「また、来たいね!」と思わせる秘訣について書き綴ってみます。

「何でだろう〜何でだろう〜」――。ひょっとすると、日本マクドナルドの藤田会長と昨秋、社長を退いたファーストリテイリングの柳井会長は、こうつぶやきながら首を傾げているかも知れません。日本マクドナルドはBSE問題に加え、ハンバーガーの値下げやメニュー拡充などの効果が表れず2002年12月期連結決算において29年ぶりに最終損益23億円を計上した他、ファーストリテイリングも急速な客離れの影響で2002年12月の既存店ベース売上高が前年同月比30%減となり、15カ月連続で前年実績を割り込んでいます。

これに対して、東京ディズニーランドとディズニーシーの2002年度来場者数は約2500万人に上り、米業界誌アミューズメント・ビジネスの調べによると世界ランク2位(約1300万人)と4位(約1200万人)を確保、しかも2つのテーマパークを合わせるとダントツの1位ということです。

どの企業も強烈な成功体験を持つ企業ですが、ここにきて大きな差が出始めたのは一体どこに原因があるのでしょうか。一つには顧客資産の中身に違いがあるように思います。顧客の満足度は、顧客満足と顧客ロイヤリティの変数によって4つのタイプに区分できるわけですが、東京ディズニーランドとディズニーシーの場合は上位接点に位置付けられるロイヤル顧客にしっかり照準が合わされているのに対し、日本マクドナルドとファーストリテイリングの場合は、顧客満足度が高く顧客ロイヤルティの低い顧客、つまり、心変わりしやすい顧客に照準がズレていたと言うことです。

また、両社には自社ブランドに対する過信もあったように思います。強力なコーポレートブランドは外敵から身を守る役割も果たしますが、最強のコーポレートブランドの一つに数えられる「黄金のアーチ」も、BSE問題から日本マクドナルドを守ってくれなかったわけですが、その大きな原因は自らの手で作ったように思えてなりません。つまり、苦肉の策として打ち出された対症療法(メニュー拡充策、顧客レンジ拡幅策)がオペレーション等を狂わせ、いつしか大きな魅力だった“スタッフの笑顔”も消え去り、ロイヤル顧客の満足度とともに「黄金のアーチ」をも色あせさせたのではないでしょうか。

いずれの企業においてもトップ・マネジメントが第一線で顧客ニーズを絶えず捉えていることこそが大変重要で、立派な社長室で書類を決裁するようになってしまえば、その企業の寿命もそう長くはないと言っても過言ではありません。

又トップが顧客満足の視点を何処まで持ちつづけるかによって 会社の命運は左右される時代になってきました。

皆さんの企業では、顧客の持つニーズを捉えて、顧客に気持ちよくお金を使わせているでしょうか? 東京ディズニーランドとディズニーシーから家路につく際、子供達がよく口にする「また、来たいね!」は「また、期待ね!」という意味であり、あらゆる企業が目標とすべき言葉なのです。

顧客不満足から「不」を如何に取り去るかが経営の鍵であり 取ることがマーケテイングとだ思います。


堀井 輝夫

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•  消費者物価指数
•  消費支出
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