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2004/01/05

新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。

旧年中は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございました。本年も変わりませず、ご愛顧の程よろしくお願い申しあげます。

さて、東洋には西暦とは異なる時の表し方として、60干支があります。それにならえば、本年は「甲申(きのえさる)」ということになります。

過去の申年の世相を振り返ってみますと、丙申(ひのえさる)の1956年には、国民所得が戦前を上回る水準に達し、“三種の神器”に代表される消費革命の時代が幕を開けようとしていました。この年の経済白書で「もはや戦後ではない」と宣言された通り、日本経済は高度経済成長の階段を猛スピードで駆け上がることになります。また、国際連合への加盟や日ソ国交回復に関する共同宣言の調印、東海道本線の全線電化が完成したのも、この年です。

1965年から約5年の長期に及んだ「いざなぎ景気」は、日本製品の盛んな海外輸出によって主導されました。終身雇用・年功序列といった安定的な労使関係を基調とした日本型の雇用慣行は、「会社人間」「企業戦士」を数多く輩出し、高度経済成長のスピードを一層加速させ、戊申(つちのえさる)の1968年には国民総生産(GNP)で世界第2位へ躍進することになります。その他、札幌医大で日本初の心臓移植手術や川端康成氏がノーベル文学賞を受賞したのも、この年です。

庚申(かのえさる)の1980年から日本経済の環境は一変します。1973年の第4次中東戦争の勃発に伴う第1次オイルショックを契機に、景気の回復と後退を繰り返す中で、1980年にはイラン革命による第2次オイルショックに見舞われ、日本の経済成長率は、高度成長期の10%成長から5%台へ低下し、高度経済成長期の終焉を迎えました。第2次オイルショックの影響で電気・ガス料金が大幅値上げされたのも、大平首相の急逝に伴う衆参同日選挙の“弔い合戦”で自民党が圧勝したのも、この年です。

その後、1985年のプラザ合意が「円高、株高、低金利」による景気拡大環境をもたらし、1980年代後半になると株価・地価が経済的諸条件から著しく乖離した“バブル経済”を作り出します。ただ、所詮“泡”は消え去る運命にあり、1991年から地価が暴落、不動産、証券、銀行といったバブルに直接関与した業界だけでなく、個人消費の伸びにあわせて積極的な設備投資を行った自動車、半導体、コンピュータなど主要な製造業分野までもが急激な業績悪化に追い込まれ、壬申(みずのえさる)の翌92年以降、日本経済は、“不況”という名の長いトンネルを彷徨い続け、今日に至っています。

このように申年は、景況の節目に当たる年のようですが、特に本年は易卦的にみても一大転機にさしかかる年に当たるそうです。中国宋時代の易神と言われた邵康節(1011−1077)が世の中の大きな流れを捉えることを目的に撰集した占術書「皇玉経世」によると、2004年から始まる10年間は、「火水未済(かすいびぜい)」という卦が割り当てられています。この卦は、「時期がくれば成就する」「展望は明るい」の意で、政界や国政面でこれまでにない大きな変化が現れる反面、経済界・産業界では目立った好転が望めず、もう一年の辛抱を余儀なくされるということです。

当たるも八卦・・・ですが、私たちは、未来を的確にシミュレートし、十分な対応ができているでしょうか。 癒えることのない“老いるショック”が、社会保障という大きな船の針路を「高負担・低福祉」へ転換させようとしていることを認識できているでしょうか。

過去のトレンドから、本年の医療費及び薬剤費をトレースしてみると、最悪の場合、医療費は厚生労働省から公表されている2001年度ベースを1.0ポイント上回る31兆6000億円前後、また薬剤費は弊社の2001年度予測値を5.1ポイント上回る7兆円程度に止まる可能性さえあります。当然、この場合は診療報酬及び薬価とも大幅なマイナス改定が避けられません。甲申(きのえさる)の本年からは過去の販売実績に基づくマーケティングでは、「サドン・プアー・シンドローム」(突然お金を失って苦しむ人症候群)を患う恐れがあります。なぜなら、財政優先の“シナリオなき”医療制度改革で医療・医薬品市場が一変するからです。

その処方せんとして、弊社では、UPDM(疾患と薬剤データ)や病院機能データを駆使して「今の時代に求められる羅針盤的なコンサルティング」をご提案させていただきます。

末筆ながら、本年が皆様にとって良い年でありますよう祈念いたしております。


北原 秀猛
堀井 輝夫

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