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2004/08/02

1+1=3!? を実現する為のコミュニケーション力の重要性

8月15日は日本人にとって忘れることのできない日ですが、今から約240年前のこの日にナポレオン・ボナパルトがコルシカ島で誕生しています。言うまでもなく、ナポレオンは歴史上有名な英雄であり、3時間しか睡眠を取らなかったという話や白馬にまたがって颯爽とアルプスを越えた話などでも良く知られています。しかし、トリビアの泉的なエピソードを紹介しますと、彼は夜眠らない代わりに昼寝をしっかり取っていたそうですし、アルプス越えで実際に乗っていたのはロバだったとも言われております。ただ、彼の言語力の凄さだけは本当だったようで「愚か者は過去を語り、賢者は現在を語り、強者は未来を語る」など数々の遺された名言からでも明らかです。今月はナポレオンにちなんで、1+1=2ではなく3に変えるビジネス上の言語力即ちコミュニケーション力の必要性について書き綴ってみます。

共有されないビジョン、改善されない業務の進め方、発揮されない個人の能力、活力のない職場、そして外部環境に適応できない組織、そして出来ない言い訳が先行する組織――皆さんの組織は、このような“ないない症候群”に陥っていませんか?

ナポレオンは、未来のことを考えられるような人間でなければ、強く生き残っていくことはできないと述べていますが、組織にも、そのような土壌・風土が必要です。その源泉は、ずばり言語力(言葉を現実に変えてしまうパワー、リーダーの価値観、目標)です。エネルギーがなければ機械を作動させることができないように、組織においても従業員に「活力」を伝達し活性化させるコミュニケーション力がなければ、未来を考えるような人材は生まれませんし、ビジネスも発展しません。

重みのある言葉は、従業員に活力を与えるエネルギーです。“ないない症候群”に陥っている組織には、必ずと言ってよいほど力のない空虚な言葉が無意味にあふれています。そして、算数としての質問ではなく、仕事の処理能力を「1+1=いくつですか?」とたずねると、決まって2未満になってしまいます。

それでは、どうすれば1+1=3という算式が成り立つのでしょうか?

この算式には、人の相性・価値観・文化の相違等もろもろの要件が影響してきますが、基本は相手の立場を思いやった上で、活力や共感をもたらす言語を適切かつ柔軟にぶつけることです。これをコミュニケーション学的には、「方略的言語能力」(Strategic competence)とも呼びますが、ビジネスを円滑に行う上で大変重要なことです。

例えば、チームで仕事をしている上司Aと部下Bがいるとします。Aは自分のビジネスプランがベストだと考えていますが、BはBで同じ仕事をするのに別のやり方、解決方法を持っています。まず最初に目的とミッションを明確に共有しこの考えの違いを事前に理解し解決しておかないと、AはBのやり方は間違っているからと叱責します。しかし、BはBで何故そうなら、事前に連絡してくれなかったのかと言う次元の低い所での仕事に関する葛藤が生じ、結果としてマイナスの算式が成り立ってしまうのです。

このマイナス算式をプラス算式に代える最良の方法はコミュニケーション力であり、自身の発する言葉に重みを持たせることです。文化の違い、価値観の違い、相性の違い、これらはまずコミュニケーションをよくすることで解決できますし、上司の言語力は部下に活力を与え、士気を高めたり、創造性を刺激したりすることもできるのです。

又部下は状況、経過、問題点、超えられない課題、競合状態等、仔細に内容を随時連絡する事です。 又部下の持っている能力の限界を認識しつつその報告を聞いてやる事と適切なアドバイスをしてやる事が必要でしょう。

良く「報・連・相」といわれますが、これもコミュニケーションの重要性を表現した言葉です。

勿論、仕事の成果というものはその成員の能力に左右される事は言うまでもありませんが、世の中、全き人間はそんなにいるものではありません。こうした弱点を埋めるのがコミュニケーション力であり、これのあり方に腐心してもし過ぎる事はありません。

「風通しの良い組織」とは、こうしたコミュニケーションが上下、縦横、斜めに成立して初めて言える言葉です。ナポレオンが最後に負けたのも、戦勝に酔うあまり、慢心して規律が乱れ結果として、このコミュニケーション力が組織の中で欠如した事によるものであったかもしれません。

今日からでも遅くありません。組織の力が1+1=3になるように円滑なコミュニケーションのあり方とその力を身に付ける訓練と知恵を絞ってはいかがでしょうか。

最後に、この言葉を贈ります。

 「不可能という言葉は○○社的ではない」

堀井 輝夫

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キーワード
•  ナポレオン・ボナパルト
•  言語力
•  方略的言語能力


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