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2004/10/01

栄枯盛衰 世の習い、今あるものは明日は無い 変化に素早く柔軟に

東京の都心は再開発が目覚しく進んでおります。六本木、汐留、丸の内のオアゾ等、近年にない開発ラッシュです。医薬品会社が多い日本橋地区もこれと同様に、三越を中心として今、大きく変化しようとしております。

三越別館の新築、日本橋三井タワーの新建設、既に建設し終わった東急百貨店後のコレド日本橋等々、時代の変化を先取りするかのように生まれ変りつつあります。

元々、日本橋は五街道の起点であり、全ての交通の起点でもありました。江戸時代はビジネス(商業)の中心地として反映した町で、その町並みは広重の浮世絵にも残されている程、繁栄した町でもあります。

日本で始めて百貨店が出来たのもここ日本橋であり、1904年(明治37年)三越呉服店がその始まりです。他に昭和8年高島屋、そしてもうひとつ東急百貨店日本橋の前身の白木屋という百貨店もありました。

その町並みの変化を見ながら、百貨店を中心に栄枯盛衰の条理とそれへの対応について書き綴ってみます。

百貨店業界の売上は7年連続で減少しています。協会に加盟する全国100社の売上高は03年には8兆1100億円で過去5年間に1兆円も減少したわけです。トップの三越もまた、03年売上9000億円とピークであった91年度より約2000億円も減少したと言われております。

消費者産業と製造業とは状況が異なるかもしれませんが、この構造変化に対する柔軟な対応に問題があった事によるのかもしれません。コンビニエンスストアとかスーパーが全盛になった時代の消費者の変化に如何に対応していくかが鍵であったわけです。

朝日新聞に掲載されていましたが、三越の社長の言に「『変化への対応』を如何に実現するか。それは現場第一主義の発想による顧客のニーズを的確に捉え、それに対する戦略を組み立てない限り生き残れないのだ」とあります。即ち、優良顧客の囲い込みによる『販売力の強化』、顧客の要望を仕入れに活かす『商品力の強化』については、今の医薬品産業にも十分当てはまる教訓でもありましょう。

また、身近な所では、プロ野球界で色々話題になっている球界再編の在り方論もそうでありましょう。従来の古い体質にしがみついて新しいビジネスモデルを策定してこなかったツケが今、出ているのでしょう。利益が出ている間は、人は変化に対応するのに躊躇し過去の成功体験や発想にしがみつくものです。衰退している企業は変化する挑戦を欠いていた事によるものであります。

医薬品産業も今までにない大きな変換と変革にさらされている状況と似たものがあります。総需要の抑制、医療制度の変革、患者意識の高まりによる急激な医療環境の変化に柔軟に、果敢に対応する事が求められております。

『販売力の強化』、特に施設ターゲッティング、優良顧客(ドクター)ターゲッティングが求められており、従来のコール回数の多寡に比重を置いた定期巡回スタイルの顧客訪問管理は意味を成さなくなりましょう。これからはドクターのニーズにいかに答えられるかの知恵が求められておりましょう。

『商品力の強化』、医師、患者のニーズにあった製品の開発はもちろんでありましょうが、既存の製品の綿密な処方調査とそれに伴う的確なマーケッティングにより、まだまだ処方機会の拡大を期待できるものと思います。

いずれにしろ変化は刻々と起こっており、この変化の潮流を読み取り、適切に柔軟に対応する事こそ総需要が伸びない業界にあっての正しい対処方法ではないでしょうか。

変化に対応して素早く先手を打てる企業のみ、明日の成長が約束されるのではないでしょうか。


堀井 輝夫

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•  販売力の強化
•  商品力の強化


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