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2005/08/01

会社は誰のものか? 株主が変わっても会社で生き残る方法

ライブドアがニッポン放送を買収するか否かで世間を賑わしたのは、つい最近のことであります。これに刺激されてか、会社買収のあり方論、ひいては買収されない“毒薬条項”(ポイズンピル)の設定の是非まで議論されてきました。

最近では三共と第一の合併にまで株主から異議が唱えられるなど、株主と会社のあり方が大きく変化しつつあります。

会社という言葉を日本で始めて使ったのは福沢諭吉と言われております。アメリカのCompanyを見て社会と同じだと思い、これをさかさまにして会社としたと言われております。

歴史的に家族主義的であった「日本株式会社」と言う大きな庇護の下にぬくぬくと繁栄を享受してきた“サラリーマン”にも株主が変るということにより、従来の経営がある日突然替わるということが起こり得る時代になってきました。泰平の夢をむさぼっていた社員はどう対処したらよいのかを含め、書き綴ってみたいと思います。

昔から“資本と経営の分離”が資本主義社会の基本原理であり、理論としては理解されてきました。が、現実には物言わぬ株主(株式持合いの構図の上に胡坐をかいた)、あるいは経営者即大株主という状態で会社が運営されてきたことは紛れもない事実です。

そういう中では、会社=経営者=従業員という図式を利活用し、コントロールすれば会社経営が上手くいったわけです。

しかし、バブル崩壊ととともに物言わぬ大株主であった企業、金融、生保が立ち行かなくなり株式持合いの構図が否定されたわけであります。また、金融引き締めによる信用供与の縮小でオーナー会社も立ちいかなくなり、株を従来と異なったファンド、会社に手放し、株式が物言う第三者に渡ったのが昨今の現状でしょう。

そこで初めて「会社は誰のものか?」という本質的な認識が深まったわけであります。

本来、会社は資本を出した株主のものであり、会社は株主の意向で動くものなのでありますから、年功序列、終身雇用の土壌に育ったサリーマンが自ら描き続けてきた会社至上主義=己の出世(自己実現)という構図も蜃気楼に過ぎなかったわけです。

これからの社会はグローバル化の進展とともに、従来の家族主義的日本株式会社の発想では立ち行かなくなることは目に見えております。冒頭述べました“資本と経営の分離”がもっと加速度的に進行するでしょう。

極論すれば、ある日突然、株主が変り、それと共に株主が任命した新しい経営者が新たな価値観を持って会社を運営するということになるわけです。肌が合わなければ、新しい職場を求めて自身を売り込んでいけばよいのでしょうが、環境はそんなに生易しいものではありません。

だからと言って、忍の一字で“見ざる・聞かざる・言わざる”に徹し、面従腹背するのも芸がありません。会社が変わったときの対応策を列挙してみましょう。

■対応策1:一芸に秀でる(強みを持つ)こと

会社の中で自分が他の人より優れたものを一つでも持てば、必ずそれに付随した仕事が回ってくるものです。まさしく適材適所というもので、何でもいいですから一つ以上今から持っておくことです。そうすれば、どんな状況にあっても必ず必要な人材と言う事で評価されるでしょう。

■対応策2:自身の価値観を明確に持つこと

何を求め、何をやろうとするのか、自分がどう判断しているか、をはっきりさせることでありましょう。絶えず、その進むべき道についての自身の定見を持つことです。定見を持っている人にはそれなりの何らかの役割は必ず与えられるものでありましょう。

■対応策3:全体利益を念頭にバランス感覚を持つこと

サラリーマンは、組織の最大利益を追求する立場にあるわけですから、あらゆる事象・局面で組織の最大利益を追究する考えを持つことは当然でありましょう。そういう人には責任ある確とした仕事が与えられるものです。

医薬品業界でも、外資系の進出が盛んで昨今は内資系の会社が押され気味のようにも見えますが、規制産業という保護の下に育まれてきた医薬品産業も、「会社は誰のものか」という命題に根本から取り組んでいく必要がありましょう。

時代の要請は変わりつつあり、これに抗うことは不可能であります。要はこれからの会社の中で、自身をどう身過ぎ・世過ぎをすべきかの回答を見出すことが重要でありましょう。

“あるべき会社の中での位置づけは、貴方の発想と努力の中にあるのです”


堀井 輝夫

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キーワード
•  日本株式会社
•  資本と経営の分離


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