ユート・ブレーンでは、毎年恒例の「世界医薬品メーカーの医薬品売上ランキングをまとめた。
(1)世界の医薬品売上ランキング(2001年) 上位15品目
-−世界売上ベース−-
これはオリジナルのメーカーと導出先のメーカーの売上を合計した世界売上ベースのランキングである。
順 |
ブランド名(日本名) |
一般名 |
薬効等 |
メーカー名 |
2001売上 |
前期比 |
1 |
ゾコール(リポバス) |
シンバスタチン |
高脂血症薬 |
メルク |
6670 |
26% |
2 |
リピトール(同) |
アトルバスタチン |
高脂血症薬 |
ファイザー |
6449 |
28% |
3 |
プリロゼック(オメプラール) |
オメプラゾール |
抗潰瘍剤PPI |
アストラゼネカ |
5684 |
-7% |
4 |
ノルバスク(同) |
アムロジピン |
降圧剤Ca拮抗剤 |
ファイザー |
3582 |
7% |
5 |
プラバコール(メバロチン) |
プラバスタチン |
高脂血症薬 |
三共/BMS |
3509 |
5% |
6 |
プロクリット(エスポー) |
エポエチンアルファ |
腎性貧血 |
J&J |
3430 |
27% |
7 |
プレバシッド(タケプロン) |
ランソプラゾール |
抗潰瘍剤PPI |
武田/TAP |
3212 |
25% |
8 |
クラリチン(D含む)(同) |
ロラタジン |
抗ヒスタミン剤 |
シェリング・プラウ |
3159 |
5% |
9 |
セレブレックス(未) |
セレコキシブ |
抗炎症剤Cox-2 |
ファルマシア |
3114 |
19% |
10 |
ジプレキサ(同) |
オランザピン |
精神分裂病 |
イーライ・リリー |
3087 |
31% |
11 |
グルコファージ(グリコラン) |
メトフォルミン |
2型糖尿病薬 |
独メルク/BMS |
2682 |
55% |
12 |
セロクサット(パキシル) |
パロキセチン |
抗うつ剤SSRI |
GSK |
2674 |
16% |
13 |
バイオックス(未) |
ロフェコキシブ |
抗炎症剤Cox-2 |
メルク |
2555 |
18% |
14 |
ゾロフト(未) |
セルトラリン |
抗うつ剤SSRI |
ファイザー |
2366 |
11% |
15 |
エポジェン(エスポー) |
エポエチンアルファ |
腎性貧血 |
アムジェン |
2150 |
10% |
注:売上の単位は百万ドルで、2001年12月末の為替レートで換算/ブランド名の(未)は日本
未発売/メーカー名に2社の名前があるものは、最初のメーカーがオリジナル品開発メーカーで、
両メーカーの売上を合計6位のプロクリットは、15位のエポジェンと同成分だが、販路や用量が
異なり、製造も異なるため、別々に計上している。
BMS:ブリストル・マイヤーズスクイブ、GSK:グラクソ・スミスクライン、
J&J:ジョンソン&ジョンソンTAP:日本の武田と米アボット・ラボラトリーズの米のおける
ジョイント・ベンチャー(米売上のみ)
黄色のアミを掛けたものは、日本のメーカーがオリジンのもの。
(2)世界の医薬品売上ランキング(2001年) 上位15品目
-−メーカー別売上ベース−-
これは各メーカーが公表する売上に基づく単純なランキングである。欧米と同じ会社が日本でも
販売している場合は(1)と同じ数字になる。
順 |
ブランド名(日本名) |
一般名 |
薬効等 |
メーカー名 |
2001売上 |
前期比 |
1 |
ゾコール(リポバス) |
シンバスタチン |
高脂血症薬 |
メルク |
6670 |
26% |
2 |
リピトール(同) |
アトルバスタチン |
高脂血症薬 |
ファイザー |
6449 |
28% |
3 |
プリロゼック(オメプラール) |
オメプラゾール |
抗潰瘍剤PPI |
アストラゼネカ |
5684 |
-7% |
4 |
ノルバスク(同) |
アムロジピン |
降圧剤Ca拮抗剤 |
ファイザー |
3582 |
7% |
5 |
プロクリット(エスポー) |
エポエチンアルファ |
腎性貧血 |
J&J |
3430 |
27% |
6 |
クラリチン(D含む)(同) |
ロラタジン |
抗ヒスタミン剤 |
シェリング・プラウ |
3159 |
5% |
7 |
セレブレックス(未) |
セレコキシブ |
抗炎症剤Cox-2 |
ファルマシア |
3114 |
19% |
8 |
ジプレキサ(同) |
オランザピン |
精神分裂病 |
イーライ・リリー |
3087 |
31% |
9 |
プレバシッド(タケプロン) |
ランソプラゾール |
抗潰瘍剤PPI |
TAP |
2951 |
8% |
10 |
グルコファージ(グリコラン) |
メトフォルミン |
2型糖尿病薬 |
BMS |
2682 |
55% |
11 |
セロクサット(パキシル) |
パロキセチン |
抗うつ剤SSRI |
GSK |
2674 |
16% |
12 |
バイオックス(未) |
ロフェコキシブ |
抗炎症剤Cox-2 |
メルク |
2555 |
18% |
13 |
ゾロフト(未) |
セルトラリン |
抗うつ剤SSRI |
ファイザー |
2366 |
11% |
14 |
プラバコール(メバロチン) |
プラバスタチン |
高脂血症薬 |
BMS |
2173 |
20% |
15 |
エポジェン(エスポー) |
エポエチンアルファ |
腎性貧血 |
アムジェン |
2150 |
10% |
注:売上の単位は百万ドルで、2001年12月末の為替レートで換算/ブランド名の(未)は日本未発売
(3)世界の医薬品売上ランキング(2001年) 上位15品目
−一般名(成分)別全売上合計ベース−
これは、欧米メーカーの日本の並売売上や上場子会社売上などすべての公表売上を合計した
成分別全医薬品売上のランキングである。例えば、1位のシンバスタチンは、日本の万有(メル
クの日本子会社)の売上を合計し、2位のアトルバスタチン(リピトール)は日本で並売する山之
内の売上を合計している。
順 |
一般名 |
ブランド名 |
薬効等 |
メーカー名 |
2001売上 |
前期比 |
1 |
シンバスタチン |
ゾコール(リポバス) |
高脂血症薬 |
メルク/万有 |
7079 |
22% |
2 |
アトルバスタチン |
リピトール(同) |
高脂血症薬 |
ファイザー/山之内 |
6800 |
31% |
3 |
オメプラゾール |
プリロゼック(オメプラール) |
抗潰瘍剤PPI |
アストラゼネカ/三菱他 |
5740 |
-9% |
4 |
エポエチンアルファ |
エポジェン/プロクリット/エスポー |
腎性貧血 |
アムジェン/J&J/三共 |
5720 |
18% |
5 |
アムロジピン |
ノルバスク/アムロジン |
降圧剤Ca拮抗剤 |
ファイザー/住友 |
3862 |
6% |
6 |
ランソプラゾール |
プレバシッド/タケプロン |
抗潰瘍剤PPI |
武田/TAP/ワイス |
3589 |
10% |
7 |
プラバスタチン |
プラバコール/メバロチン |
高脂血症薬 |
三共/BMS |
3509 |
5% |
8 |
ロラタジン |
クラリチン(D含む) |
抗ヒスタミン剤 |
シェリング・プラウ |
3159 |
5% |
9 |
セレコキシブ |
セレブレックス |
抗炎症剤Cox-2 |
ファルマシア |
3114 |
19% |
10 |
オランザピン |
ジプレキサ |
精神分裂病薬 |
イーライ・リリー |
3087 |
31% |
11 |
メトフォルミン |
グルコファージ |
2型糖尿病 |
独メルク/BMS |
2888 |
32% |
12 |
パロキセチン |
パキシル/セロクサット |
抗うつ剤SSRI |
GSK |
2674 |
16% |
13 |
ロフェコキシブ |
バイオックス |
抗炎症剤Cox-2 |
メルク |
2555 |
18% |
14 |
セルトラリン |
ゾロフト |
抗うつ剤SSRI |
ファイザー |
2366 |
11% |
15 |
リシノプリル |
プリニビル/ゼストリル |
降圧剤/ACE |
メルク/アストラゼネカ |
2357 |
4% |
注:売上の単位は百万ドルで、2001年12月末の為替レートで換算/ブランド名の(未)は日本未発売
<コメント>
医薬品の世界売上と言う場合、市場の大きい数十カ国について、各国ごとのメーカー出荷
額ベースの売上を合計すれば、理想的な世界売上になると思われるが、そのような数字を
得るのは不可能である。そのため、一般的には、各メーカーが公表する売上のランキング
がよく登場する。これが表(2)のランキングである。
しかし、日本のメーカーが創製・開発した製品でも、米売上の多いものでないと、世界ラ
ンキングは上位に入らず、日本のメーカーからすれば、不公平である。そういう問題をな
くすため、導出先のメーカー売上を合計して、世界売上を計算したものが、表(1)であ
る。ただし、導出先は基本的に合計しているが、メルクであれば、日本の実質子会社であ
る万有製薬の販売する売上を含めていないし、アムジェンのエポエチンアルファ(日本名
エスポー)のように、ジョンソン&ジョンソンがライセンスを得て、別に製造しており、
用量や販路の異なるものも別々にしている。弊社における昨年までの世界売上ランキング
はこの数字で計算している。したがって、弊社からの引用とされる場合は、この表(1)
をお使いいただきたい。(掲載される場合はFAX・メール等にて、弊社までお送り下さい。
FAX06-6202-7786 E-mail: international@utobrain.co.jpへ)
表の(3)は、今回初めての試みで、同じ有効成分(一般名)であれば、集められる限り、
すべての公表売上を合計した一般名別ランキングである。1位のシンバスタチン(日本名
リポバス)は、メルクの売上に万有の売上を合計している。万有の売上原価率は34%台で
低く、メルクから他社へ導出したメーカー並の原価率になっているため、合計した方がよ
り世界売上に近い数字になると思われ、今回まとめてみた次第である。これで計算すると、
4位までの製品が50億ドルを超え、10位までの製品が30億ドルを超えている。これだけの
金額になっているため、パテントが切れた後は、非常に大きな影響を受けるようになって
いる。
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