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2004/07/07

世界の大型医薬品売上ランキング 2003

2003年は世界で20億ドル以上の医薬品が31製品へ

ユート・ブレーンのまとめた大型医薬品売上ランキングは、各社の決算発表(アニュアル・レポート、連結決算短信等)に基づき、公表されている医薬品の売上をまとめたもの。欧米のメーカーは主に2003年1〜12月期決算、日本のメーカーは2004年3月期決算(原則として連結決算)の数字を使っており、為替レートはすべて2003年12月末のレートを使って米ドルに換算している。

ここでまとめた世界売上ランキングは、オリジナルメーカーの製品売上に、ライセンス先や並売先のメーカーの売上を加えたもので、創製された1つの成分が世界でどれだけの売上を上げたかを調査したものである(公表されているブランド品売上のみ)。例えば、三共のメバロチンの場合、三共の連結売上に欧米のライセンス先であるブリストル・マイヤーズスクイブの売上を加えて世界売上としている。中にはオリジナルメーカーが世界売上を公表している製品もあるが、ライセンス先売上の基準が同じではないため、公表されている各社の売上を合計している(メーカー発表の世界売上がライセンス先との合計売上より多い場合のみ世界売上を使用)。なお、直接の海外子会社の売上は加えていない。

次の表に示したように、世界売上が20億ドル以上の製品は31となり、2002年の24から7つ増えた。それらの薬効を見ると、高脂血症薬(スタチン製剤)、抗潰瘍剤(PPI、プロトンポンプ阻害剤)、抗うつ剤(SSRI=選択的セロトニン再取込阻害剤またはSNRI=セロトニン・ノルアドレナリン再取込阻害剤)がいずれも3品目以上あり、大型製品は、このような一般的に多い慢性疾患の薬に集中している。そのほかにも、抗喘息薬、統合失調症薬、抗アレルギー剤、降圧剤のAIIRB(またはARB、サルタン製剤)、抗炎症剤のCOX−2阻害剤がいずれも2つずつ含まれている。その一方で、前回も2位だったエポエチンα製剤に加え、レミケードやリツキサンのようなバイオ製剤がランクインしたことが今回の新たな傾向である。特に、抗がん剤は使用する部位が限られており、高価であっても20億ドル以上のものはなかったが、今回初めてリツキサンが27位にランクインした。今後はバイオ製剤が今まで以上に大きな売上を上げるようになると考えられる。

2003年医薬品世界売上ランキング

世界売上が20億ドル以上の製品のうち、日本のメーカーがオリジナルである製品は、武田薬品工業の抗潰瘍剤(PPI)、ランソプラゾール(ブランド名タケプロン、プレバシッド、ゾトン等)と、三共のスタチン製剤、プラバスタチン(同メバロチン、プラバコール等)に、2003年は山之内のタムスロシン(同ハルナール、フローマックス)が加わった。ランキングの表にはないが、世界売上が10億ドル以上で、日本のメーカーがオリジナルの製品としては、別表のものがある。

日本のメーカーがオリジナルの製品(10億ドル以上)

2003年に20億ドル以上の製品が7つ増えたのは、一つにはユーロや円が強くなり、ドル換算数字が2002年よりも高くなったこと、パテント切れなどで大幅減となった製品が限られていること、多く使われるものはますます多く使われる傾向が強まっていることなどが挙げられる。全体的に、2003年はこのような大型品を持つ大手ブランドメーカーにとっては比較的好調な年だったと言える。

さて、20億ドル以上の31品目の中では、日本で販売されていない製品がまだ11品目もある。申請中のものもあるが、日本では発売されない見込みのものも多い。この点は、日本の臨床試験に非常にコストがかかることや、日本での臨床試験結果が海外で使えず、医師が臨床試験をやってもあまり評価されないなどの問題点が指摘されており、外資メーカーにとっては参入障壁の一つとも言える。

 

<市場の大きい薬効の上位製品>

大型製品は、一部の薬効に集中する傾向があるため、市場の大きい薬効のうち、日本のメーカーが含まれるスタチン製剤とPPI製剤市場について、上位製品とその世界市場概算を示したものが次の表である。やはり、市場が大きくてさらに拡大している薬効の製品を持ち、それを世界で販売することが、医薬品メーカーとして、売上拡大に結びつく。市場の小さい薬効や、既にパテントが切れた製品の多い薬効では、よほどのピカ新以外、大きな売上を上げられない。

 

★高脂血症用剤/スタチン製剤

いわゆるコレステロール低下剤で、一般名が○○スタチンとなっているため、スタチン製剤と呼ばれる市場である。この市場は世界で207億ドルあり、このような分類では最大の薬効である。三共のメバロチンも世界的ベストセラーの一つであり、高血圧の薬を飲んでいる人の3分の1がこのスタチン製剤を一緒に飲んでいる。表に示した3つの製品だけで197億ドルの売上があり、これら以外は10億ドル程度に過ぎないが、塩野義が創製し、アストラゼネカと並売されるクレストールのような期待される新製品も登場している(現時点では日本未発売)。

★抗潰瘍剤/PPI

これは潰瘍の薬であるが、欧米では胸焼けや逆流性食道炎で使われることが多く、市場が163億ドルあり、大きな薬効である。(注:潰瘍であれば、数週間飲めば治癒するのが普通だが、胸焼けや逆流性食道炎は飲み続ける人が多い。)この薬効においても、上位4製品が142億ドルあり、87%を占めている。ただし、プリロゼック/オメプラールは、欧米でパテントが切れており、米ではジェネリックと2003年9月に発売されたOTC(大衆薬)へ移行している。PPIのブランド品は米では、1錠当たり4ドル程度するが、オメプラゾールのOTCは、1錠当たり70セント余りで安いため、OTC使用を推奨している保険会社もあるほどだ。ドイツにおいても、オメプラゾールのジェネリックは、ジェネリック最大のベストセラーとなっている。そのため、今後は市場の伸びも小さくなっていくと予想される。

  【参考】
この調査について、5億ドル以上のランキング詳細や主力薬効の各医薬品売上については、弊社で発行している月刊誌『ファルマ・フューチャー』に掲載しています。ご希望の方はこちらをご購読ください(申し訳ありませんが、こちらは有料です)。

 
本リリースに関する連絡先:
株式会社ユート・ブレーン大阪本部 永江研太郎
TEL 06-6202-7787/FAX 06-6202-7786 E-mail: international@utobrain.co.jp
住所(大阪本部):〒541-0045 大阪市中央区道修町1-7-10 扶桑道修町ビル

  【お願い】
このリリースのデータ等を利用される場合は、必ず、出所(出典)として「ユート・ブレーン」をご記入の上、上記宛に掲載紙をお送り下さい(掲載箇所の頁をFAXでお送りいただいても結構です)。


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世界の大型医薬品売上ランキング 2003 UBRelease0407.pdf [ 80kb ]

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