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2003/06/05 世界の大手メーカー医薬品売上ランキング
2002 医療・医薬品業界のコンサルティング・調査会社ユート・ブレーン(東京03-3270-8741、大阪06-4964-0550)では、毎年恒例の「世界大手医薬品メーカーの医薬品売上ランキング」をまとめた。 ■2002年は100億ドル以上が12社 ユート・ブレーンのまとめた大手メーカーの医薬品売上ランキング(次頁)は、各社の決算発表(アニュアル・レポート、連結決算短信等)に基づき、医療用医薬品売上を抽出してまとめたもの。欧米のメーカーは2002年1〜12月期決算(ただし、32位のフォレスト・ラボラトリーズは2003年3月期決算)、日本のメーカーは2003年3月期決算(いずれも連結決算)の数字を使っており、為替レートはすべて2002年12月末のレートを使って米ドルに換算している。 ここでの医療用医薬品売上は、ヒト用の医療用医薬品、ワクチン、造影剤などの売上であるが、一部のメーカーは医薬品売上として大衆薬を含めて公表しているため、それらのメーカーには*を付けた。基本的には公表数字だが、一部のメーカーは直接確認した数字を使っている。なお、表の伸び率は、各社の公表数字に基づくものであり、昨年の米ドル換算数字との比較ではない。 2002年のトップはグラクソ・スミスクラインとなっているが、これは年末の為替レートを使っているからで、年平均レートを使えば、ファイザーが1位になる。(注:2002年はファイザーが1位としている調査会社もあるが、医療用医薬品と販路の異なるワクチンなど含まれていないものがあることや、為替レートが異なるためである。当調査ではグラクソの医療用医薬品としての公表数字17,995百万英ポンドに為替レート1.6044を掛けて計算している。グラクソ・スミスクラインからワクチンを除くと、間違いなくファイザーが1位となる。) なお、アボット・ラボラトリーズの数字は公表されている医薬品部門(米及び海外)の数字だが、同社は他の部門でも医療用医薬品を販売しており、これらを含めると、100億ドル程度になると考えられる(この数字は非公表のため、掲載していない)。 34位の三菱ウェルファーマと35位の塩野義製薬は数字が同じであるが(公表された医療用医薬品売上が億円までで、全く同じだったため)、塩野義製薬には医薬品卸子会社の売上が含まれているため、三菱ウェルファーマを上にしている。(注:塩野義は今期に医薬品卸子会社を切り離すため、2003年ランキングでは20億ドル以下になる見込み。) 2002 年 世界 大手 の 医薬品 売上ランキング
調査・作成:ユート・ブレーン ・ 基本的には医療用医薬品、造影剤、ワクチン等の売上だが、*のメーカーはOTC売上を含む。 ・ 為替レートは2002年数字は2002年12月末で、www.oanda.com による。 ・ 欧米メーカーは32位のフォレスト(2003年3月期決算)を除いて、いずれも2002年12月期決算。 ・ 日本のメーカーは2003年3月期決算の数字。 <2002年ランキングのポイント> ◆100億ドル以上(いわゆる100億ドルクラブ)は、1999年8社⇒2000年10社⇒2001年12社⇒2002年12社 で同じ。(アボットの推定数字を入れると、13社になる) ◆20億ドル以上の35社を合計すると、3067億ドルとなった。このうち、100億ドル以上の12社の合計は、2104億ドルであり、12社が上位35社の7割を占めている。世界市場を4000億ドルとすれば、上位35社が4分の3を占めている。(ただし、他社へライセンスして販売しているものがあり、それらは一部重複するため、実際にはそれより少なくなる。) ◆20億ドル以上の35社のうち、10%以上の伸びを示したのは10社だけ。2001年のランキングでは16社あったことからすれば、大幅に減少した。大手では大型品のパテント切れにより、マイナスになったり、伸び率が鈍化したところが多い。医薬品メーカーは大型品のパテント切れ対策、つまり、それに代わる大型品がタイミング良く投入できるかどうかで伸びが左右される。しかし、最近は新薬の承認申請数が減少しており、世界的に新薬不足と言われている。 ◆その流れを示す一端が、ジェネリックメーカーで世界最大のテバ製薬工業(イスラエルの最大手メーカー)が31位にランクインしたこと。同社はコパキソン(多発性硬化症の薬)というブランド医薬品もあるが、4分の3がジェネリックである。
◆20億ドル以上の35位までを国別にみると、アメリカ13社、日本8社、ドイツ4社、フランス3社、イギリス2社、スイス2社、となっている(ベルギーやデンマーク、オランダ、イスラエルは1社)。 ◆ブランド医薬品メーカーにとって最も重要なR&D費(研究開発費)を見ると、50億ドル規模以上のメーカーは、10億ドルを超えている(シエーリングは9.9億ドルだが)。100億ドル以上のメーカーは、最低でも20.8億ドルとなっている。一方、21位のTAPは、武田とアボット・ラボラトリーズのジョイントベンチャーであり、非常に少なく、ジェネリック主体メーカーのテバ製薬に近い数字である。 ◆参考:20億ドル以下10億ドル以上の日本のメーカーでは、表の中外製薬のほかに、大塚製薬、万有製薬(次回はメルクに統合されるため、今回が最後)、田辺製薬、協和発酵工業、住友製薬、小野薬品工業、大日本製薬、がランクインしている。 ★ご案内:この調査のさらなる詳細数字や10億ドル以上の全メーカーについては、弊社で発行している月刊誌『ファルマ・フューチャー』に掲載しています。ファルマ・フューチャーでは、世界の医薬品売上ランキングや薬効別医薬品ランキング等も掲載しています。
<ファイザーとファルマシアの合併について> ファイザーは4月16日付けでファルマシアとの合併を完了しました。そのため、ファイザーとファルマシアの医薬品売上、R&D費を合計すると、上の表のようになります。
医薬品売上は400億ドルを超え、R&D費は75.4億ドル(ドル120円換算なら9048億円)という大変な数字になっています。 ノバルティスがロシュを買収したがっているとも言われますが、両社を合わせても299.8億ドルで、グラクソ・スミスクラインをわずかに上回るだけで、ファイザーの4分の3以下になります。 ★合併後の売上
単位:百万ドル、億ドル 参考 : ユート・ブレーンは、「医薬品産業の国際的事業展開の現状について」など、いくつかの厚生省の委託調査を受けた実績を持つコンサルティング・調査会社です。 このメーカーランキング調査は厚生省の委託調査の中で、1996年のランキングをまとめて以来、行っているものです。2001年のランキングは、厚労省の「医薬品産業ビジョン」で使われています。 本リリースに関する連絡先:大阪本部 永江研太郎 TEL 06-6202-7787/FAX 06-6202-7786 E-mail:international@utobrain.co.jp 大阪本部住所:〒541-0045 大阪市中央区道修町1-7-10 扶桑道修町ビル 株式会社ユート・ブレーン お願い:このリリースのデータ等を利用される場合は、必ず、出所として「ユート・ブレーン」をご記入の上、上記宛に掲載紙をお送り下さい。(掲載箇所の頁をFAXでお送りいただいても結構です。) ※ このリリースはPDFファイルでも提供しています。プリントアウトは下記のPDFファイルをご利用下さい。
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