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2006/07/03

(2006年7月5日付の日本経済新聞でも紹介されています)

世界の大型医薬品売上ランキング 2005

ユート・ブレーン(大阪06-6202-7787、東京03-3270-8741)は、毎年恒例の「世界の大型医薬品ランキング2005年版(Top 40)」をまとめた。これはメーカー各社の大型医薬品売上を並び替えてランキングしたものではなく、同じオリジナル成分のブランド品売上を合計して世界における売上をまとめたもの。

2005年は世界で20億ドル以上の医薬品が36製品

ユート・ブレーンのまとめた大型医薬品売上ランキング(上位40品目)は、各社の決算発表(アニュアル・レポート、連結決算短信及び補足資料等)に基づき、公表されている医薬品の売上をまとめたもので、欧米のメーカーは主に2005年1〜12月期決算、日本のメーカーは2006年3月期決算(原則として連結決算)の数字を使っており、為替レートはすべて2005年12月末のレートを使って米ドルに換算している。
ここでまとめている世界売上ランキングは、オリジナルメーカーの製品売上に、ライセンス先や並売先のメーカーの売上、創製メーカーのロイヤルティ等を加えており、創製された1つの有効成分(一般名)が世界でどれだけの売上を上げたかを調査したもの(公表されているブランド品売上のみ)。例えば、三共のメバロチンの場合、三共の連結決算売上(輸出売上も含む)に欧米のライセンス先であるブリストル・マイヤーズスクイブの売上を加えて世界売上としている。中にはオリジナルメーカーが世界売上を公表している製品もあるが、ライセンス先売上の基準が各社共通ではないため、公表されている各社の売上を合計している。なお、直接の海外子会社(100%出資)の売上は加えていない。
表で、左端の順位の数字にアミを掛けたものは日本未発売の製品で、一般名にアミを掛けたものは、日本のメーカーが創製した製品、前期比にアミを掛けたものは、2社以上の売上を合計して計算したことを示す。2005年末のレートは2004年末と比べてユーロや円が13%前後下がり、ユーロ売上が同額でもドル換算値は2桁減となるため、アミを掛けた%は実際の伸びより低くなっている。
次の表に示したように、世界売上が20億ドル以上の製品(成分)は36となり、前回まとめた2004年の40から4つ減少した。これは主にパテント切れのためで、一部はユーロや円が下落した影響である。

2005年大型医薬品売上の概要

◆トップは引き続きリピトールで約130億ドル

リピトールは100億ドルを超えても11%伸び、約130億ドルとなった。1ドル115円換算なら、1兆4904億円に達しており、日本の武田薬品工業やアステラス製薬の全医薬品売上よりも大きい。

   
     
◆日本未発売製品は減少    


2004年のランキングでは、40品目のうちで12品目が日本未発売だったが、2005年には10品目に減少した。2位のプラビックスや20位のゾロフト(日本名ジェイゾロフト、6月1日薬価収載)のほか、40位に入った抗がん剤のエロキサチン(同エルプラット)が日本にも登場したためだが、6位のネクシアムや13位のパントゾール(いずれもPPIと呼ばれる抗潰瘍剤)は日本での開発が中止されている。

◆高脂血症剤、抗潰瘍剤、降圧剤、抗がん剤など慢性疾患薬が多い

40製品の薬効を見ると、抗潰瘍剤のPPI(プロトンポンプ阻害剤)と降圧剤のARB(またはサルタン製剤)がいずれも4品目あるほか、抗がん剤も4品目入った。トップ製品のリピトールを含めた高脂血症薬(コレステロール低下剤)のスタチン製剤は3、統合失調症薬が3、抗うつ剤(SSRIまたはSNRIと呼ばれるもの)も3あるが、抗生物質(合成抗菌剤を含む)は2つしかなく、先進国では抗生物質市場はマイナス傾向にある。

◆増えるバイオ医薬品

表の中ではバイオ医薬品と呼ばれる製品の売上が増えている。3位のエポジェンから切り替えが進んでいる改良品のアラネスプ(19位、日本未発売)は32%増の32.7億ドル、リウマチ薬のエンブレル(14位)は42%増、29位のニューラスタ(日本名グランの改良品)は31%増の22.9億ドルなど、好調である。抗がん剤のトップ製品となったリツキサン(10位)やリウマチ薬のレミケード(15位)のような抗体医薬品も35億ドル以上の売上で大型医薬品となっている。

◆懸念されるパテント切れ

8位のゾコール(日本名リポバス)、16位のメバロチンなどは既に日欧でパテントが切れており、2006年6月にはアメリカでも両剤のパテントが切れた。このような大型品のパテントが切れると、米ではそのブランド品の売上が激減するだけでなく、同類のブランド医薬品(リピトール等)の新規処方も減少するため、2006年のこれらの売上は大きく変化すると予想される。20位の抗うつ剤ゾロフトも米パテントが6月30日に切れており、他の抗うつ剤にも影響が及びそうだ。

   


◆日本のメーカーがオリジナルのものは8品目

日本のメーカーが創製した医薬品(一般名にアミのかかっているもの)は、エーザイのアリセプトが入り、2004年の7品目から1つ増えた。アリセプトは38位で20億ドル以上に入っていないが、これは2005年末が円安だったためで、2004年末の為替レートだったら20億ドルを超えている。

   


<最大の薬効は引き続きスタチン製剤市場>

世界最大の薬効は2004年に引き続き、コレステロールを減らすスタチン市場で、2005年には5%増の242億ドルとなった(ジェネリックは含まない)。ただし、先述のように、ゾコールとメバロチンのアメリカのパテントが切れてジェネリックが登場したため、2006年に市場が縮小するのは確実となっている。

高脂血症剤/スタチン製剤

また、市場の大きい抗うつ剤市場(SSRIやSNRI等)においては、既にパキシル(メーカーはグラクソ・スミスクライン)やプロザック(同リリー、日本未発売)の米欧のパテントが切れており、2005年の市場は2桁減となっているが、2006年にはゾロフトの米パテント切れでさらにマイナスとなる見込み。アメリカでは、パテントが切れると、3日で87%がジェネリックになるというデータもあるほか、『ジェネリック・ファースト』プログラムで、"医師の新規処方はジェネリックから"を推奨している保険もあり、ジェネリックが登場するとパテントの切れたブランド品の売上が激減するだけでなく、同類の医薬品売上も減少する傾向が強まっている。
今まで市場の大きかった薬効が縮小しつつあるため、降圧剤や胃腸用薬など一般的な分野の医薬品を持っているだけでは、大型品のパテント切れによるマイナスを補えなくなっており、大手医薬品メーカーでは、バイオ医薬品や抗がん剤など市場の拡大する製品をポートフォリオに加えることが不可欠になってきている。

参考:この調査について、5億ドル以上のランキング詳細や主力薬効の各医薬品売上は、弊社で発行している月刊誌『ファルマ・フューチャー』2006年6月号に掲載しています(薬効別売上の一部は7月号に掲載)。ご希望の方はこちらをご購読ください(申し訳ありませんが、こちらは有料です)。また、『ファルマ・フューチャー』では、公表されている医薬品で各メーカーの2億ドル以上のすべての医薬品ランキングも7月号にて掲載予定です。『ファルマ・フューチャー』誌のご案内は、ユート・ブレーンのホームページ http://www.utobrain.co.jp のファルマ・フューチャーのところをご覧ください。医薬品メーカー・卸、医薬品アナリスト、業界団体の方々のご購読をいただいています。

<本リリースに関する連絡先>
ユート・ブレーンLLC合同会社 永江研太郎
TEL 06-6202-7787/FAX 06-6202-7786 E-mail: ubinternational-jp@dendrite.com
住所(大阪本部):〒541-0045 大阪市中央区道修町1-7-10 扶桑道修町ビル9F
※メールアドレスが変更されていますので、ご注意ください。

【お願い】
このリリースのデータ等を利用される場合は、必ず、出所(出典)として「ユート・ブレーンLLC合同会社」をご記入の上、上記宛に掲載紙をお送り下さい。(掲載箇所の頁だけお送りいただいても結構です。)


参考 :「医薬品産業の国際的事業展開の現状について」など、いくつかの厚生省の委託調査を受けた実績を持つコンサルティング・調査会社です。2001年の世界の大型医薬品売上ランキングは、厚労省の「医薬品産業ビジョン」で使われています。


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世界の大型医薬品売上ランキング 2005 UBRelease0607.pdf [ 310kb ]

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