2004年のランキングでは、40品目のうちで12品目が日本未発売だったが、2005年には10品目に減少した。2位のプラビックスや20位のゾロフト(日本名ジェイゾロフト、6月1日薬価収載)のほか、40位に入った抗がん剤のエロキサチン(同エルプラット)が日本にも登場したためだが、6位のネクシアムや13位のパントゾール(いずれもPPIと呼ばれる抗潰瘍剤)は日本での開発が中止されている。
◆高脂血症剤、抗潰瘍剤、降圧剤、抗がん剤など慢性疾患薬が多い
40製品の薬効を見ると、抗潰瘍剤のPPI(プロトンポンプ阻害剤)と降圧剤のARB(またはサルタン製剤)がいずれも4品目あるほか、抗がん剤も4品目入った。トップ製品のリピトールを含めた高脂血症薬(コレステロール低下剤)のスタチン製剤は3、統合失調症薬が3、抗うつ剤(SSRIまたはSNRIと呼ばれるもの)も3あるが、抗生物質(合成抗菌剤を含む)は2つしかなく、先進国では抗生物質市場はマイナス傾向にある。
◆増えるバイオ医薬品
表の中ではバイオ医薬品と呼ばれる製品の売上が増えている。3位のエポジェンから切り替えが進んでいる改良品のアラネスプ(19位、日本未発売)は32%増の32.7億ドル、リウマチ薬のエンブレル(14位)は42%増、29位のニューラスタ(日本名グランの改良品)は31%増の22.9億ドルなど、好調である。抗がん剤のトップ製品となったリツキサン(10位)やリウマチ薬のレミケード(15位)のような抗体医薬品も35億ドル以上の売上で大型医薬品となっている。
◆懸念されるパテント切れ
8位のゾコール(日本名リポバス)、16位のメバロチンなどは既に日欧でパテントが切れており、2006年6月にはアメリカでも両剤のパテントが切れた。このような大型品のパテントが切れると、米ではそのブランド品の売上が激減するだけでなく、同類のブランド医薬品(リピトール等)の新規処方も減少するため、2006年のこれらの売上は大きく変化すると予想される。20位の抗うつ剤ゾロフトも米パテントが6月30日に切れており、他の抗うつ剤にも影響が及びそうだ。
|