この本は、小林薫氏がドラッカーとの40年以上に渡る交友記録をまとめたものである。筆者が言うように、「ドラッカーの経済や経営、社会論の翻訳ではなく、著者の眼や耳というフィルターを通して説明と分析が加えられている」ところに特徴がある。
ドラッカーの言葉の中で著者が一番心に残っているのが、「強みの上におのれを築け(Build on your own Strength)」だそうだ。けだし名言である。
現在は大きな変革期の渦中にある。それも200〜300年に一度の大変革であり、100年程度のスパンを持つ長期的な変革でもある。ようやく50〜60年経過したところだが、その変化は従来のような連続的なものではなく、これまでのあり方を根底から覆すような変化と説かれている。
ドラッカーのキーワードは、「変化・変革・変容・変貌」であり、永久革命を志さない限り、生き残れない時代とさえ断言している。
特に重要なことは、内部にあるのはコストのみ、すべての機会とチャンスは外部にある――この本質が理解できる企業とできない企業で盛衰を分けることになる。
来るべき新時代は、「知識・情報ベース社会」である。
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