この本はP.F.ドラッカー、レスター・サロー、野中郁次郎など著名な学者9人がハーバート・ビジネスレビューで発表された論文を編集した本である。内容は序章から9章によって構成されている。
「知識革命」の本質は、私達一人ひとりが自分自身と外部環境のもつ「知力」の大きさに感動し、目覚めることによって意識があらたまる。そして「何のために」と言う本質を「問いかける心」と共に自らが行動を起こすことにある。企業の進化機能として独自性を生むのが「知識革新力」である。
ITに物事のルールを変える力があるとすれば、知識革命ではルールを変えることがルールになる。この複雑な新秩序の中で私たちが利用し採用してきたモデル、これまで成功をもたらしたモデルがこれからは一切機能しないことを認めなければならない。
成功する企業は「知識時代」を成功の定義を変える一時的な流行ではなく、ひとつの革命としてとらえている。知識革命とは「民主主義の革命」とも言える。その特徴は、分散であり、マネージャーが率先して第一線の知識労働者たちに、意思決定に参加する権限を付与することである。そして知識労働者は自分の情報ニーズを明確にしなければならない。
情報は消費されるもので知識とは異なる。
- 情報は知識を引き出し創造するために必要な媒体である。
- 情報は外部の情報源から受け取る受動的なもの知識は能動的。
- 情報は一過性で効率性がおもな関心事、知識は普遍的一種の美的価値観、審美的関心が優先する。
企業の置かれていた環境条件の変化が組織の果すべき任務を根本的に変質させた。経済成長の原動力は明らかに知(INTELLECT)であり、それがサービスに変換されて価値を創造するのである。
新しいことをする絶好の機会は、革命の起こった時である。今は第3次産業革命の時で過去の国家レベルの経済からグローバル経済への移行が進みつつあることを認識しなければならない。この環境下において、経営トップの役割は壮大な理論(GRAND THEORY)を創ることだ。
以上のような内容で9人の学者がアプローチしており一読に値する本である。
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