IT革命の本質はIT化による生産性の飛躍的向上と経営の高効率化にある。経営、研究開発、生産、販売、管理、マーケティング、すべての面で新しい仕組みをITにより構築することが出来る。インターネットにより少ない投資で外部とのネットワーク化を図ることも出来る。ネットワークに接続されたPCさえあれば、一瞬にして空間を越え世界中が結ばれる。世界のあらゆる地点にいる発信者、受信者がダイレクトに双方向のコミュニケーションもできる。どんな遠隔地の人でもネット上の仮想市場に参入できる。したがって、競争は当然激しくなる。これまでは自国の競合で戦っていれば良かったが、インターネット・エコノミーは世界中がライバルになる。
過度期は世界中を巻き込んだ競争が始まり、世界中の産業構造の変化が起きる。この新しいパラダイムに適応できるかどうかである。生き残るキーポイントはどのように生産性を上げ、無駄を省き利益を出していくかにかかっている。生産性のアップはスピードが決め手となる。生産性を上げ、高効率経営を実現するためにはITの活用が不可欠である。
21世紀の企業は高い生産性が求められる。製品の開発から顧客への納入までをできる限り短縮し、生産性をアップしなければ企業の競争力が危うくなる。コンピュータ化している企業でも、ネットワーク化して会社全体の生産性を高めていなければ競争に負ける。
IT化の最大の目的はスピードを上げ、高効率経営を行うことにある。
<21世紀型企業の条件>
- 自ら先取りして変化できること。
- 顧客ニーズへの速やかな対応。
- 競争力のある専門分野に特化し、不得意分野はパートナーとの協業によって競争力を保つ。
- 高い生産性、IT化を徹底的に進め、情報システムをフルに活用できる仕組みを作る。
- 経営のスピードアップ。
- 倹約(frugality)。
- 質の高い社員の確保。
- 高い目標設定。
- 常に起業化精神を忘れない経営。
以上9項目を勝ち残るポイントとして挙げている。要はIT革命時代には、そのITを駆使して如何に生産性を上げられるかを問うているのである。特に医薬品卸売業の経営者や幹部の方には読んで欲しい本である。
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