本書は2001年9月18日に初版を出してから、2002年2月18日の5ヶ月間に35版を出している超ベストセラー本です。著者は東大法学部卒であり、現在明治大学文学部の助教授をしています。本書は、暗誦もしくは朗誦することを狙いとして編んだものです。したがって、ただ目で黙読するというのではなく、大きく声に出して詠み上げていってください。古いものには簡単な口語要約がついています。著者は「言葉の内容にあまりとらわれすぎずに、まずは日本語としての調子のよさや語感を楽しむとなじみが早くなると思います。」と述べています。また、「人によって調子のよいものが得意な人もいれば、しみじみと語るのが性に合っている人もいると思います。お互いにあまり照れずに自分のスタイルで詠み上げてみると、自分ひとりでは気づきにくかった味わい方も見つけられると思います」と語っています。
ここに取り上げたものは、日本語の宝石です。暗誦・朗誦することによって、こうした日本語の宝石を身体の奥深くに埋め込み、生涯にわたって折に触れてその輝きを味わう、こうした「宝石を身体に埋める」イメージで楽しんでください。
内容は文章を、“腹から声を出す”、“あこがれに浮き立つ”、“リズム・テンポに乗る”など、文章の同じような傾向内容によって1つのくくりをしています。全体は8つの項目に区分されています。
文章の抜粋
以上幾つかの文(文章の抜粋参照)を取り上げましたが、日本語の美しさ、素晴らしさ、日本語の魅力を再発見させてくれます。また、おもわず口を開け声を出して詠んでしまう、そのような本でもあります。
中身は先に示したように、8つのジャンルに区分され、徒然草、伊豆の踊り子、源氏物語、宮本武蔵の五輪書、いろはかるた、などであり、幅広いジャンルが記載されています。
「予想をはるかに上回る手間がかかりました」と著者も述べていますが、読んでみて大変であったことが想像つくものであります。是非一家に一冊、置いておきたい本であると思います。
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