4月にご紹介した『「原因」と「結果」の法則』に続く第2弾、その2が本書です。
私はある<法則>を発見しました。それは愛の法則でした。
私はある<生命>を発見しました。それは人間を愛の法則との調和へと導く生命でした。
私はある<真実>を発見しました。それは正しくコントロールされた、静かで従順な心に関する真実でした。
そして私は、ある本を書きたいと考えました。
不安や苦悩、悲しみといったものは、人生の中を足早に通り過ぎる「影」に他なりません。まずあなたは、「悪いこと」とは何なのかを正しく理解する必要があります。それが、その輝かしい場所へと続く道の始まりです。「悪いこと」を無視したところで、何も解決しません。あなたは、それを直視し、認識し、理解しなくてはなりません。「悪いこと」を取り除いてくれるよう神に祈ったところで同じことです。あなたは、それがなぜそこにあるのか、それがあなたにどんな教訓を与えているのかを知らなくてはなりません。謙虚さと忍耐を忘れずに、あなたを真の永続的な幸せへと導く教訓の数々を、一つひとつ学んでいくことです。
悲しみや痛みの暗い闇があなたの心を覆ったとしたら、それは単に、あなたが自らの手で喜びと至福の無限の光を遮っているからに他ならない、ということを知ることです。その時にあなたを覆っている暗い闇は、あなた自身がつくり出しているものなのです。自分自身の内側にじっくりと目をやり、「悪いこと」は「つかの間の体験」であり、自らつくり出した「影」にすぎないことに気付くことです。
かつて仏陀は語りました。
「いまの私たちは、私たちがこれまでに考えてきたことの結果である。それは、私たちの思いの上に築かれている。それは、私たちの思いによってつくり上げられている」
あなたがいま幸せならば、それは、あなたがいま幸せな思いをめぐらしているからです。そして、あなたがいま不幸せだとしたら、それは、あなたがいま不幸せな思いをめぐらしているからです。
長年に渡って貯め込んだお金を突然失ってしまった2人の男がいました。1人は絶望し、ただ落ち込むのみでした。しかしもう1人の男は、全財産を預けていた金融機関の倒産を新聞で知った後で、友人にこう言いました。「いや、全部やられてしまったよ。まあ、仕方がないさ。くよくよしたところで、お金が戻ってくるわけではないしね。また働いて取り戻すことにするよ」。その後、彼はそれまで以上によく働き、間もなく、以前よりはるかに金持ちになりました。一方、別の男は、お金を失ったことと自分の不運を嘆き続けるのみでした。そしてそのために、彼の状況はいつになっても改善されませんでした。
人間は、自分が送り出す思いと同種の思いを自分に引き寄せ、その結果、自分とよく似た人たちと接触するようになります。“類は友を呼ぶ”という古いことわざは、一般に考えられているよりもはるかに多くのことを語っています。
あなたは優しさを求めているのでしょうか。ならば、優しくなることです。
あなたは真実を求めているのでしょうか。ならば、正直になることです。
あなたはあなたが与えるものを受け取ることになります。あなたの世界は、あなた自身を映し出す鏡に他なりません。「原因と結果の法則」は、その機能を片時も停止しないのです。
心をきれいにすることです。そうすることで、あなたは自分の人生を最もあるべき状態に整えることができます。強欲、嫌悪、怒り、虚栄心、慢心、自堕落、利己心、強情といったものは、どれもが貧しさであり弱さです。
不平を言うのは、もうやめにすることです。不平は、あなたを自己破滅へと導く恐ろしい罠です。そもそも、あなたがいま不平を言っている相手も、状況も、あなたの貧しさの原因ではないのです。その原因は、あなたの内側にあるのです。そして、その場所に問題の原因が存在するということは、取りも直さず、同じ場所で問題を解決できるということに他なりません。
あなたはいま、「考えたり、勉強したりする時間がもっと欲しい。自分はいま、あまりにも長時間働き過ぎている」、などと感じているかもしれません。もしそうだとしたら、自分がいま、わずかな自由時間をどれほど有効に過ごしているかを、じっくりと考えてみることです。もしあなたが、いまの自由時間を無駄遣いしているとしたら、それが増えたところで何の意味もありません。なぜならば、その時あなたは、ますます怠け者になるだけだからです。自分こそが自分の運命の設計者である、ということを知ることです。それを知ったならば、あなたは、世に言う「悪いこと」は姿を変えた「良いこと」に他ならない、ということにすぐに気付くはずです。そして、それに気づいたならば、次にあなたは、自分の貧しさを、忍耐や希望や勇気を育むために利用しようとするでしょう。自由時間の少なさも、時間の有効利用を図るための訓練に、効果的に利用できるはずです。
多くの従業員を抱え、これまで1人の従業員も解雇したことのない、ある経営者は、自身の成功をこう説明しています。「これまで私は、従業員たちとの間で、最高に素晴らしい関係を保ち続けてきた。どうしてかって?思い当たることは一つしかない。私はただ、自分がして欲しいと思うことを彼らにもしてあげる、ということを、創業以来ずっと実践してきただけだよ」。これこそがまさに、好ましい状況をつくり出し、好ましからざる状況を克服するための最大の秘訣です。
逆境とは単に 道を一時曇らせるだけのもの
その道の先には 輝かしい成功の峰が
美しい青空と優しい陽の光のもとで
私たちの到着を待ち続けている
きれいな心と、汚れのない思い。これが健康の秘訣です。
<法則>への不動の信頼と、賢く導かれた目標。これが成功の秘訣です。そして、強い意志の力で欲望という暴れ馬をコントロールすること。これがパワーの秘訣です。
幸せは、内側で完璧に満足している状態です。それは、内なる喜びであり、平和であり、それが存在する時、心の中からは、あらゆる身勝手な欲望が排除されています。欲望を満たすことで手にする満足は、一時的なものであり、錯覚であり、その後には常に、より大きな満足への欲求が頭をもたげてきます。
真の繁栄は、誠実さと寛大さ、そして愛を豊かに所持する心にのみもたらされます。これらを持たない心は、真の繁栄を決して知ることができません。なぜならば、繁栄は幸せ同様、外側で所有されるものではなく、内側で認識されるものであるからです。
「善良な思いとともに第一歩を踏み出し、善良な言葉とともに第二歩を踏み出し、善良な行いとともに第三歩を踏み出すことで、私は楽園に入った」
以上が本書の概要です。すべての現象には“原因”があって“結果”があります。それぞれが自分の過去を振り返り、結果をチェックしてみると、必ず原因が存在している。「棚から牡丹餅」的なものはないのです。棚を強く揺することによって起きる現象です。「果報は寝て待て」のことわざがあります。意味は、人の運は力ではどうにもならないものだから焦ることなく時節の訪れを待て、ということです。これは一時的に人の慰めに使った言葉ではないでしょうか。このことわざの裏には、「人事を尽くして天命を待つ」があってこそ生きてくるのではないかと思います。我々は得てして、人のせいや社会のせいにしてしまいがちですが、そうではない。すべての原因は自分にあるのだと反省しなければ、進歩はないし、良い結果は生まれません。
本書の中にありますが、「あなたの世界は、あなた自身を映し出す鏡にほかなりません。“原因と結果の法則”は、その機能を片時も停止しないのです」。
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