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勝つ力 人生には勝つべくして勝つ鉄則がある

著  者:山崎 養世
出 版 社:ダイヤモンド社
価  格:1,575円(税込)
ISBNコード:4−478−62058−X

「どうしたら勝てるのか」、を伝えたくてこの本を書きました。
厳しい時代になりました。でも一方で、チャンスがいっぱいある時代です。20代、30代で大金持ちになるベンチャー経営者も珍しくありません。昔では考えられないぐらい簡単に社長になって勝負できる時代になりました。勝つことは必ずしもライバルを倒すことではありません。むしろ自分が勝てるところを見つけることなのです。そして、自分に勝つことが大切なのです。つまり、自立する道を見つけるということです。自立には重い責任も伴いますが、責任を果たせば自由です。会社や組織に頼るのではなく頼られる存在になること、そしていざとなれば独立できる力をつけることが勝つことではないでしょうか。勝つ人が増えれば、今よりいい会社になるのではないでしょうか。

本書は、序章:大逆転時代到来!、第一の鉄則:負けない努力をせよ、第二の鉄則:志とミッションを持て!、第三の鉄則:自らの地図を持て!、第四の鉄則:時系列とクロスセクションを読みとれ、第五の鉄則:悲観的に準備して楽観的に行動する、第六の鉄則:満員電車には乗るな!、第七の鉄則:挫折が挑戦を生む、第八の鉄則:大逆転時代のビジネスを見抜け!、エピローグ:新たなるミッションを胸に、の構成になっている。

新たなる常識(スタンダード)は、混沌の中から生まれる。それは、歴史の必然であり、その繰り返しによって人類は、文明を進化させてきた。そう考えると、先行き不安な「混沌の時代」と呼ばれる今の日本は、新しい常識が生まれる大逆転時代がやって来たということになる。例えば、現代は少子高齢化の社会だ。そういう時代に求められるビジネスとは何かをいち早く考え行動した者は、大きな市場を手に入れることができる。新しい時代では、個人の力が強く求められる。これからは、コンテンツ社会へと移行していく。コンテンツ社会とは、新しい価値観や視点を創造できる人が勝利を手にする社会だということだ。そして、顧客はその独創性が欲しいために金を払う。つまり、組織よりも個人が優先されるという、地位の逆転が起きてくる。

勝利の法則」は、「常に勝ち続けることなどありえない。だが、負けない努力はできる」ということだ。では負けないためには、何をどうすれば良いのだろうか。一番大切なことは、まずルールを守ることだ。プロとは、どうすれば勝てるかを知っていて、負けない努力をする人、負ければ全責任を負う覚悟を持つ人を言う。

「何をやりたいか」ということを明確にできない人は、まだ戦う準備ができていないということなのだ。アメリカ社会は移民社会ということもあり、個々がミッションを持ち、それをぶつけ合って最終的に意思統一を図る、というスタイルが社会の基本だ。ミッションの源となるのは「志」だ。ミッションとは、自分が何をやりたいかということだ。だが、そのやりたいという衝動には源があるはずだ。旅に出るということは、自分が身を置く環境を変えることだ。そうすると、普段は見えないものが見えてくる。あるいは、同じものを見ても別の見え方をする。

人生とは条件付確率なのだ(前提条件の変化によって変化していく確率のこと)。ならば、時々刻々変化していく条件に応じて、地図もバージョンアップしていかなければならない。そして、精度が上がると、自分の地図が予測不可能なはずの未来を映し出してくれるようになる。だからこそ、マッピングに労力を割くことを惜しまないでほしい。まず、頭に浮かんだ気付きやアイデアは、浮かんだその場ですぐメモしていく。グローバル・スタンダードの浸透で、日本ではここ10年ほどの間に劇的な規制緩和が進んだ。その結果、保護行政と呼ばれていた法規制が撤廃され、どんどん自由競争ができるようになった。ジャック・ウェルチは、「ビジネスの成功とは、常に自分がビジネスというゲームの主導権を握れているかどうかにかかっている」という。

日本が「失われた15年」を経験した理由は、時系列だけに目を奪われ、起きている現象の背景に目をやらずに、ただアメリカが奇跡の復活を遂げたことで、その共通点ばかりを探したからだ。つまり、クロスセクション的視点を持たずに、間違った時系列のあてはめをして、正しい答えを導き出さなかったのだ。

今の日本に必要なのは、東京一極集中を回避することだ。そのために、非常に重要なのがインフラの整備だ。ただ、ここでも政府は「インフラ整備」の意味をはき違えている。地方分散が広がらないのは、高速道路が世界一高いからだ。アメリカが世界恐慌を経て、一極集中の経済から地方分散型の経済へと脱皮していく大きな要因となったのは、インターステートと呼ばれる高速道路網のおかげだ。日本との大きな違いは、アメリカの高速道路は一部を除いてほとんどが無料なのだ。

今、90年初頭と比較して株価がアメリカで約3倍、ヨーロッパ諸国はほぼ2倍になっている。ところが日本の株価は、1989年末の株価の約4分の1だ。アメリカと12倍の差がついた。チャンスとは、タイミングが重要なのだ。タイミングを逸すれば逸するほど、方向転換するときの条件がどんどん悪くなっていくことを考えなければいけない。

高齢化社会に向かう日本に必要なのは、年金や投資信託の運用だ。ところが、日本の株も債券も長期に渡って回復しないだろう。80年代のように、高金利でありながら、株式が9倍にもなる時代は終わった。国内への投資だけではだめだ。

現在の日本に必要なのは、「悲観的に準備して、楽観的に行動せよ」ということだ。予想し得るさまざまなケースを考え、それに備えることに尽きる。「悲観的に準備する」習慣を付ける際に戒めなければならないことがある。考え過ぎて行動で二の足を踏むことだ。危機管理というものは、チャンスとピンチの両方に対応することだ。だから、素早い行動がカギになる。そのタイミングを計る1つの目安として、私は「2、3割の法則」を大切にしてきた。自分で考えているアイデアや戦略を関係者の中の10人に聞いて、1人も「面白い!」と言ってくれない時には、「時期尚早」だということであり、それが2、3人が、「それは、面白そうだね」と言い出した時がスタートのタイミングだ、ということだ。自分達のビジネスの目的と顧客の目的は当然違う。顧客の目線に立ってビジネスを見ることで、大きなチャンスが開けることが多い。

人生でもビジネスでも、ジャック・ウェルチが言うように、「自分の運命をコントロールする」という生き方を貫きたい。そのためには、自分への投資を惜しんではならない。まだ自分の志やミッションが漠然としている人には、3つのことを勧めたい。1つは、語学力をつけることであり、2つ目はたくさん本を読むこと。そして3つ目は、たくさん旅をすることだ。

われわれが戦う時の最大の敵は、知りもしないことを知った気でいる先入観だ。「満員電車には乗るな。自分を大事にしてくれるところへ行け。しかも、そこが伸びざかりの会社だったら、多少失敗したって次々とチャンスは生まれる」。自分が成功するためには、一緒に戦ってくれるパートナーが必要だ。そのパートナーとして部下を育成するためには、効率的にビジネスのノウハウを教えることが大事だ。社会人としての経験と切磋琢磨が進んでいくと、その人は自然により高いリスクを取れるようになっていく。なぜなら、自分が持ってる情報や分析力がどんどん高まっていった結果、人はまだ見つけていないけれども、自分だけは見えているというものが出てくるからだ。これが「勝つこと」のエッセンスなのだ。

一流の人間はみんな、単に給料や役職ではなく、自分を人間としてどういう風に処遇してくれるのかという点を重視して働く。逆に給料や役職だけで働く人間は大したことはない。人間にとって一番大きな幸せは、自分を生かし切ることだ。自分のしていることが自分の役に立ち、人や世の中にも役に立つということが人間の基本的な喜びだと思う。

勝つことにも理由があるが、負けることにも理由があるのだ。そして、その理由が分かれば、次に自分が何をすべきかも自ずと答えは出てくるものだ。「失敗は成功の素」という格言は、何も気休めではない。ただ、失敗した時に、それを徹底的に検証できない人には「成功」はあり得ないというだけだ。

さて、より深刻化した日本の現状を直視した上で、新しい時代を読み取る「地図」についても考えておきたい。新しいキーワードとして5つある。

  1. 集中から拡散へ
  2. 循環型社会への移行
  3. 新しい金融システム
  4. 組織から個人の時代へ
  5. 中国・アジアとの新しい関係構築

以上が本書の概要である。本題が「勝つ力」である。本書にもあるように現在は個人の時代だ。個人間の格差は広がるばかりである。この時代に勝つためには、「自分に勝つことが大切だ。」孫子の兵法にもあるように「敵に勝とうと思えばまず味方に勝て、味方に勝とうと思えば自分に勝て」である。自己啓発とは自分を枠の中に入れることだ。その枠は自分で決めることになる。本書にあるように、「自分の地図を作り、自分で運転して、自分の目的に到達すること、すなわち本当に豊かな人生を自分で作る」ことである。


北原 秀猛

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