HOME
会社概要
セミナー
教育関連
海外情報
書籍
お問い合わせ
ワールドネット
HOME龍電網詳細





2002/12/16

WTO加入後も流出する新薬データ

人間はあることに対して期待していると、その期待以上のことが実現されなかったら、かえって失望してしまうものだ。昨年、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した時、「世界経済にとって大きな意味を持つ」、「国際ルールに従って開放される」、「投資への安心感が増す」――等々、世界各国から期待が高まっていたが・・・。

中国がWTOに加盟してから12月11日で1年となった。果たして、日本をはじめ欧米諸国が懸念している知的所有権の保護は守られているのだろうか。

在中国日本商工会議所がまとめた中国の市場開放策などの順守状況に関する調査報告には、「製薬業界では、新薬の製造を中国政府に申請した後に成分データが中国企業に漏洩するケースが報告された」と中国政府の知的所有権の保護に対する不十分な対応を批判する部分がある。現在、中国に進出している日本企業の「約40%近くが知的所有権の侵害を受けている」という。中でも模倣された商品が多いものとして、医薬品、電気製品、ソフトウエア、化粧品、自動車部品などが挙げられている。

このような現状を中国政府は無視しているのだろうか?いや、実際は、中央政府が強硬な取り締まりの姿勢を強めている。しかし、地方政府レベルでは、模倣品メーカーの取り締まりが徹底していないという地方保護主義の問題が深刻化している。

中国政府はWTO加盟に際し、医薬品に関する知的所有権の保護を保証する、と宣言していた。そのため、今年9月15日から施行された「医薬品管理法実施条例」(日本の薬事法施行令に相当する法律)では、知的所有権の保護を改めて明文化した。

今後、大きな成長が見込まれる中国医薬品市場では、国際ルールの下で知的所有権の保護が少しずつ改善されるだろうと思われる。


沈 友敏

この記事はお役にたちましたか?Yes | No
この記事に対する問い合わせ

この記事に対する
キーワード
•  世界貿易機関
•  国際ルール
•  知的所有権
•  在中国日本商工会議所
•  地方保護主義
•  医薬品管理法実施条例


HOME龍電網詳細 Page Top



掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権はセジデム・ストラテジックデータ株式会社またはその情報提供機関に帰属します。
Copyright © CEGEDIM All Rights Reserved.