HOME
会社概要
セミナー
教育関連
海外情報
書籍
お問い合わせ
ワールドネット
HOME龍電網詳細





2003/03/18

高騰する医療費

医療費の高騰は日本だけではなく、中国でも大きな社会問題となっている。ここ数年、上昇し続ける医療費の伸びはやや鈍化しているものの、その伸び率は経済成長率に比較して依然高い水準にある。なぜ医療費が高騰しているのだろうか?

中国の医療費高騰の要因には、(1)高齢化、(2)疾病構造の変化、(3)多剤投与――の3つが挙げられているほか、次のような要因も考えられる。

◎医薬品価格の上昇

医薬品の原材料、補助材料の価格及び人件費などの引き上げによって、メーカーの製造コストも高くなり、それらの要因で医薬品の価格上昇につながる。

◎徴収基準の上昇

病院を含めた医療機関の初診料、再診料、ベッド料、検査費、注射費などがウナギのぼりに上昇している。経営難に陥った多くの病院は経営を維持するため、患者に“薬漬け、検査漬け”をするケースが多い。ちなみに、中国では医療サービスの価格基準、つまり日本の「診療報酬」に当たる制度はない。地方によっては病院が独自に規定するところもある。

◎輸入製品や外資系製品の増加

また、輸入医薬品の増加も医療費高騰の一因だ。さらに、外資系メーカーが現地で生産した医薬品の比率もますます拡大している。言うまでもなく、これらの輸入品や外資系製品の価格は高い。

◎高額医療機器及び新型医療材料の増加

高レベルな医療機器を導入すると、かなりのコストがかかるので、患者から高い検査料を取る場合も多々ある。実際、一般入院患者の医療機器による検査費用は、総医療費の20〜30%を占めているという。

これらの問題に対して、中央政府は「早急に解決したい」との認識を示しているが、現時点で有効な解決方法がないのが実情である。


沈 友敏

この記事はお役にたちましたか?Yes | No
この記事に対する問い合わせ

この記事に対する
キーワード
•  高齢化
•  疾病構造の変化
•  多剤投与
•  薬漬け
•  検査漬け


HOME龍電網詳細 Page Top



掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権はセジデム・ストラテジックデータ株式会社またはその情報提供機関に帰属します。
Copyright © CEGEDIM All Rights Reserved.