中国政府は３月１７日、鄭筱萸氏を「国家食品薬品監督管理局」に任命すると同時に、邵明立氏、任德権氏、惠魯生氏（女性）、張文周氏の４人を副局長に命じたことを明らかにした。また、中央紀律検査委員会の楊宝祥氏を紀律検査組長として、国家食品薬品監督管理局に常駐することを決定した。
中国政府は３月５日に開かれた全国人民代表大会（日本の国会に相当）の中で、政府の機構改革を採択した。対外貿易経済協力部（日本の省庁に当たる）と国家経済貿易委員会を一本化した「商務部」や、国有企業改革を担う「国有資産監督管理委員会」の新設を柱とする内容のほか、食品の安全に対する監督管理体制を確立するため、「国家食品薬品監督管理局」の設立が注目されている。
中国政府は「国民の身体健康と生命安全を保障し、食品の安全に対する監督管理を強化するため、国家薬品監督管理局（ＳＤＡ：State Drug Administration）をもとに国家食品薬品監督管理局（ＳＦＤＡ：State Food Drug Administration）を設立する」と機構改組の目的を説明している。
改組後の国家食品薬品監督管理局は従来と同様、国務院（政府）の直属機構となる。その主な責務として、引き続き国家薬品監督管理局の機能を行使するほか、食品、健康品、化粧品の安全管理に対して総合的な監督及び協調の責務を全うする。そして、法律によって重大な事故に対して調査・処罰する。
中国では、大規模な機構改革は１９９８年以来５年ぶりで、今年４月頃から実施される見通しだ。国家食品薬品監督管理局の設立により、医薬品等の製造・販売を主管してきた国家薬品監督管理局は廃止される予定。
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