国家人口・計画委員会、衛生部、国家薬品監督管理局はこのほど、共同で胎児の性別鑑定及び選択的な人工妊娠中絶に関する禁止条例を打ち出した。これは胎児の性別鑑定によって男女比率のバランス崩れを防ぐためだ。
条例では、「衛生行政部門または計画生育行政部門の承認を得ず、いかなる医療機関や開業医は、胎児の性別鑑定及び選択的な人工妊娠中絶手術をしてはならない」としている。また、「必要な医学的の胎児の性別鑑定を行わなければならない場合、当該医療機関において3人以上の専門家チームにより審査を行うこと。また、診断を経て確実に妊娠中絶を必要とする場合、当該医療機関により医学診断の結果を提出しなければならない」と規定している。
中国では、1970年代後半から“一人っ子政策”を導入して以来、政府は改正憲法、婚姻法、母子保健法などに、「計画出産の義務」を明記した条文を示してきたが、「人権問題への影響」などで人口政策の制度そのものを法文化した法律はなかった。
しかし、一人っ子政策を強行している中国では、男尊女卑という思想が今も根強く残っている。一人しか産めない夫婦の中には、男児を欲しがり、妊娠後の胎児の性別鑑定によって女児とわかった場合、堕胎を行うケースもある。
その結果、一部の地域では出生人口の性別比率のバランスが崩れている。通常(自然的)の場合、新生児の男女比は女100に対し男103であるが、一部の地域では男子が平均を大幅に上回っている。これらの問題を重く受け止めた政府は、近ごろ開催された全国人民代表大会で討論され、法制化に至った。
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