中国の薬典委員会(日本の薬局方部会に相当)はこのほど、医薬品業界に注目されている「中華人民共和国薬典」(薬局方)の改正(2005年度版)が行われていることを明らかにした。
薬局方は、その国の医薬品の基準であり、薬事規制上に必要な法規である。したがって、医薬品企業にとって最も重要な法規であると言えるだろう。中国の「医薬品管理法」(日本の薬事法に相当)の第32条によると、国家薬品監督管理部門が定められた「薬局方」及び医薬品の基準は、国家の医薬品基準となることを明記している。第8回目になる今回の改正は、科学性、先進性、規範性、実用性に基づいて行っていく方針。
◎生物製剤は初めて薬局方へ
今回の改正のポイントは、現行の「中国生物製剤規程」を2005年版の薬局方に収載することになったことだ。つまり、改正薬局方は、第1部:漢方薬、第2部:化学医薬品、第3部:生物製剤――の3部から構成されることになる。
◎漢方薬が大幅に収載される予定
また、漢方薬に対して大幅な改正が見込まれている。現行の2000年版の薬局方に収載されている漢方薬は992品目(漢方薬材・生薬:534品目、漢方製剤:458品目)である。しかし、これらの製品は、現在の医療臨床で使用されている漢方薬の実数に比べると、品目数が足りないにもかかわらず、刻々と変化する疾病に適応できないものも多いという。したがって、改正薬局方の目標の一つは収載品目をさらに拡大し、特に漢方製剤を大幅に増加する見込みである。
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