国家発展改革委員会と商務部は7月23日、改正「内陸部外資系企業投資優位性産業リスト」(原文:中西部地区外商投資優勢産業目録、以下「リスト」)を公表した。この改正は、2004年9月1日から実施される。
これまで中国への投資と言えば、ほとんどが東部の沿海地域に集中しているが、内陸部への投資奨励策が施行されれば、外資系企業が内陸部への投資も加速するだろう。
改正「リスト」には、内陸部における267項目の優位性を有する産業が含まれている。主に農牧業製品の高度加工、鉱産物資源の開発、交通インフラの整備、医薬品産業の開発・生産、新型電子デバイスの開発・生産−−などの分野が挙げられている。医薬品産業に関する優位性項目は17省(市・自治区)に及んでおり、具体的には次の通りである。
- 動植物の資源の開発及び生産(吉林省、四川省、貴州省、雲南省、陝西省、広西自治区、湖北省、重慶市)
- 漢方の凍結乾燥注射剤(粉末)の生産(黒竜江省)
- ジベレリンの生産(江西省)
- リンコマイシンの生産(河南省)
- レーザー医療設備の開発及び生産(湖北省)
- ホルモン剤の深度開発(湖南省)
- 新型医療機器の開発及び生産(重慶市)
- チベット薬の新製品や新剤形の生産(チベット自治区、青海省)
- 枸杞(クコ)の栽培及び加工(寧夏自治区、新疆自治区)
- 牛や羊の内臓を原料とする生物学的製剤の開発(新疆自治区、内モンゴル)
中国政府が公布した「外商投資産業指導リスト」や「内陸部外資系企業投資優位性産業リスト」は、外資系企業にとって重要な政策である。つまり、外国企業はこれらの地域に進出する際、「リスト」に記載されている投資案件なら許認可がスムーズに取れるわけである。
ちなみに、中国に進出している日本の製薬企業の立地条件を見ても、沿海地域が格段多い。今後もこの傾向が強いと考えられる。
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