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2005/07/01

中国華源集団の“野望”

中国華源集団有限公司(以下、華源)は、中央政府が管理する国有の基幹企業である。1992年に設立され、紡績及び農業機械の製造・販売を中心に手がけている。現在、国内外に関連企業34社を擁しているほか、華源股分、華源企業発展股分、華源製薬股分、上海医薬股分の4社が上場している。総従業員数は5万人に達しており、2004年末現在の総資産は6000億円に上る。

同社は1998年に医薬品業界に進出し始めた。当時、アジアの金融危機による輸出低迷や、紡績業界不振などの影響で成長が見込めなかったため、医薬品産業に参入し、医薬品・医療機器の製造販売、医薬品流通やチェーン薬局などを新事業としてスタートさせた。

2002年8月に上海医薬集団への資本参加を実現したことから、医薬品業界で大きな話題を呼んだ。さらに、外資系製薬メーカーの現地法人との連携や、国内の大手製薬メーカーの買収を進み、本格的に医薬品産業に参入しようとしている。医薬品産業のトップ企業になるのが同社の夢である。

現在、海外への事業展開も積極的に行われている。同社はすでにアメリカのデュポンやドイツのBASF(バスフ)などと提携しているほか、ヨーロッパや北アメリカ、東南アジア諸国において現地法人や事務所を設置している。

昨年、国家発展改革委員会は、「条件の整った企業の海外進出を奨励する」という政策を打ち出し、海外投資に対して財政や税制、金融などの面で支援する方針。また、企業の外貨保有制限の緩和や海外投資の許認可手続きの簡素化などの法制化を進めていることが明らかになった。華源はこれらの優遇策を利用して、日本への進出も視野に入れているようだ。


沈 友敏

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