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2005/07/06

世界の大型医薬品売上ランキング 2004

デンドライトジャパン株式会社 ユート・ブレーン事業部は、毎年恒例の「世界の大型医薬品ランキング2004年版」をまとめた。これはメーカー各社の大型医薬品売上を並び替えてランキングしたものではなく、同じオリジナル成分のブランド品売上を合計して世界における売上をまとめたもの。

2004年は世界で20億ドル以上の医薬品が40製品へ

ユート・ブレーン事業部のまとめた大型医薬品売上ランキングは、各社の決算発表(アニュアル・レポート、連結決算短信及び補足資料等)に基づき、公表されている医薬品の売上をまとめたもの。欧米のメーカーは主に2004年1〜12月期決算、日本のメーカーは2005年3月期決算(原則として連結決算)の数字を使っており、為替レートはすべて2004年12月末のレートを使って米ドルに換算している。今回はより精度を高めるため、(前回調査を使わず)調査を一からやり直し、製品別のロイヤルティなども売上に加えた。

ここでまとめている世界売上ランキングは、オリジナルメーカーの製品売上に、ライセンス先や並売先のメーカーの売上、創製メーカーのロイヤルティ等を加えたもので、創製された1つの有効成分(一般名)が世界でどれだけの売上を上げたかを調査したものである(公表されているブランド品売上のみ)。例えば、三共のメバロチンの場合、三共の連結決算売上に欧米のライセンス先であるブリストル・マイヤーズスクイブの売上を加えて世界売上としている。中にはオリジナルメーカーが世界売上を公表している製品もあるが、ライセンス先売上の基準が各社共通ではないため、公表されている各社の売上を合計している。ただし、メーカー発表の世界売上がライセンス先との合計売上より多い場合のみ世界売上を使用している。なお、直接の海外子会社の売上は加えていない。

表で、左端の順位の数字にアミを掛けたものは日本未発売の製品で、一般名にアミを掛けたものは、日本のメーカーが創製した製品、前期比にアミを掛けたものは、ここ2〜3年以内にジェネリックが登場して売上が2桁減となった製品を示している。 次の表に示したように、世界売上が20億ドル以上の製品(成分)は40となり、前回まとめた2003年の31から9つも増えた。

2004年大型医薬品売上の概要

◆トップは引き続きリピトールで約117億ドル

リピトールは100億ドル(1兆円強)の規模になっても17%伸び、約117億ドルとなった。1ドル108円換算なら、1兆2636億円に達しており、日本の武田薬品工業やアステラス製薬の全医薬品売上よりも大きい。

世界の大型医薬品売上ランキング2004
◆2桁増の製品が24品目も

40品目のうち、10%以上の伸びとなったものが6割の24品目もあり、「売れる医薬品はますます売れ」、それだけ上位品目へ集中していることがうかがえる。20品目の合計は約1344億ドルで、世界市場(約5100億ドル、グラクソ・スミスクラインのアニュアル・レポートによる)からすれば、26%を占めている。

◆抗潰瘍剤のPPIや降圧剤のARBなど慢性疾患薬が多い

40製品の薬効を見ると、抗潰瘍剤のPPI(プロトンポンプ阻害剤)、降圧剤のARB(またはサルタン製剤)、高脂血症薬(コレステロール低下剤)のスタチン製剤、抗うつ剤(SSRI=選択的セロトニン再取込阻害剤またはSNRI=セロトニン・ノルアドレナリン再取込阻害剤)、統合失調症薬がいずれも3〜5品目あり、大型製品は患者数の多い慢性疾患の薬に集中している。そのほかにも、抗喘息薬や、腎性貧血及び関節リウマチのバイオ医薬品がいずれも2つずつ含まれている。特に、腎性貧血のエポエチンアルファ製剤(2位エポジェンと26位アラネスプ、アラネスプはエポジェンの改良品)、関節リウマチのレミケード(19位)、エンブレル(25位)のほか、リツキサン(11位)など5つのバイオ医薬品がランキングに入ったことは注目される。リツキサンも関節リウマチの臨床試験が行われている。

◆日本未発売製品が多い

表の40品目のうち、3割に当たる12品目が日本で発売されていない。これらには、日本で市場が小さいと思われていた抗うつ剤や抗てんかん薬、抗潰瘍剤のPPI*のほか、日本では臨床試験に時間と費用が欧米より多くかかるために認可や承認申請が遅れた製品、2成分を含む配合剤で日本では承認が非常に難しい製品(6位の喘息薬セレタイド)などがある。(*PPIは、日本では発売後数年間は、胃潰瘍で8週間、十二指腸潰瘍で6週間しか処方できず、胸焼けや逆流性食道炎で長く投与できる欧米に比べて、市場が非常に小さかった。)

◆日本のメーカーがオリジナルのものは7品目

日本のメーカーが創製した医薬品(一般名にアミのかかっているもの)は、40品目のうち、7品目となった。特に第一製薬のレボフロキサシン(クラビット)は、抗生物質で世界最大のベストセラーとなった。なお、このような抗生物質(ニューキノロン剤)は欧米では非常に高く、例えば米では、250mg錠が9ドル、500mg錠が10ドル程度しており、日本の200円10銭(100mg錠)と比べて相当高いため、世界売上が大きくなっている。表で40位のジスロマックは、600mg錠が日本で895円10銭、米では約20ドルで、2倍以上する。

<最大の薬効はスタチン製剤市場>

大型製品は、一部の薬効に集中する傾向があるため、最大の薬効であるスタチン製剤について、上位製品とその世界市場概算を示したものが次の表である。やはり、市場が大きくてさらに拡大している薬効の製品を持ち、それを世界で販売することが、医薬品メーカーとして、売上拡大に結びつく。

高脂血症剤/スタチン製剤

いわゆるコレステロール低下剤で、一般名が○○スタチンとなっているため、スタチン製剤と呼ばれる市場である。この市場は世界で229億ドルあり、このような分類では最大の薬効である。三共のメバロチンも世界的ベストセラーの一つであるが、日本では薬価引下げとジェネリック登場、米では競争激化のため、合計で10%減となった。それでも、アメリカではスタチンを飲むべきとされるコレステロール値が引き下げられ、対象となる患者が拡大しているため、スタチン市場は引き続き2桁伸びている。

なお、抗潰瘍剤のPPI市場は先の表で39位のオメプラゾールがジェネリックやOTC(大衆薬)に切り替わったため、ブランド品市場はほぼ横ばいで168億ドル、抗うつ剤市場は2003年にトップだったパキシル(表で36位)のジェネリックが登場し、7%減の155億ドルとなっている。

◆参考:この調査について、5億ドル以上のランキング詳細や主力薬効の各医薬品売上については、弊社で発行している月刊誌『ファルマ・フューチャー』6月号(2005年6月末発行)に掲載しています。ご希望の方はこちらをご購読ください(申し訳ありませんが、こちらは有料です)。また、公表されている医薬品でメーカー別に2億ドル以上のすべてを掲載した『ファルマ・フューチャー』増刊号は7月中旬発行予定。

<本リリースに関する連絡先>
デンドライトジャパン株式会社 ユート・ブレーン事業部 永江研太郎
TEL 06-6202-7787/FAX 06-6202-7786 E-mail: ubinternational-jp@dendrite.com
住所(大阪本部):〒541-0045 大阪市中央区道修町1-7-10 扶桑道修町ビル9F
※メールアドレスが変更されていますので、ご注意ください。

【お願い】
このリリースのデータ等を利用される場合は、必ず、出所(出典)として「デンドライトジャパン(株)ユート・ブレーン事業部」をご記入の上、上記宛に掲載紙をお送り下さい。(掲載箇所の頁だけお送りいただいても結構です。)


参考:ユート・ブレーンは、「医薬品産業の国際的事業展開の現状について」など、いくつかの厚生省の委託調査を受けた実績を持つコンサルティング・調査会社です。2001年の世界の大型医薬品売上ランキングは、厚労省の「医薬品産業ビジョン」で使われています。2005年4月から、デンドライトジャパン株式会社と統合され、ユート・ブレーン事業部となっています。

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世界の大型医薬品売上ランキング 2004 UBRelease0507.pdf [ 228kb ]

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