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世界の医薬品メーカーランキング2006 決算期版

ユート・ブレーンLLC合同会社(大阪06-6202-7787、東京03-3270-8741)は、毎年恒例の「世界の医薬品メーカーランキング2006−決算期版」をまとめた。今回は、2006年末時点で存在しているメーカー(買収等完了済みのメーカー)と、5月20日までに発表されたM&Aを基に売上を合計した2006年売上ランキングの2つの表を別々にまとめた。為替の換算レートはいずれも12月末のレートを用いている。2005年末と比べ、2006年末の日本円の為替レートは1%下がっただけだが、ユーロは11.5%上昇、英ポンドは13.8%、デンマーククローネは11.7%、スイスフランは7.9%上昇で、ヨーロッパのメーカーは同じ売上でもかなり高くなっている。(円は1ドル=119.02円、ユーロは1ドル=0.7574ユーロで換算している。)なお、できる限り医療用医薬品売上の数字をまとめているが(ワクチンや造影剤を含む)、一部のメーカーは詳細非公表のためOTC、診断薬などを含む。
 

1.2006年末時点のメーカーランキング

2006年末段階でM&Aが完了しており、それに合わせた決算発表に基づくランキングは次頁の通り。上位40社と、問い合わせの多い日本のメーカー(10億ドル以上)を示した。2005年の決算では、40位のジェンザイムの売上が23.9億ドルだったが、今年の40位であるバイオジェン・アイデック(抗がん剤リツキサンのメーカー)の売上は26.8億ドルで、約3億ドル底上げされている。
100億ドルを超えるメーカーは14社あるが、これだけの規模になっても、6社は2桁増であり、マイナスはブリストル・マイヤーズスクイブとアボット・ラボラトリーズの2社だけ。アボットのマイナスは米で流通売上として扱っていたベーリンガー・インゲルハイムの売上を利益率が低いために除外した結果で、特殊な要因による。15位のバイエル・シエーリング・ファーマは、シエーリングの売上が買収完了後の2006年6月23日以降の売上しか含まれておらず、1月以降の売上を加えると130億ドルを超えて、100億ドルクラブに仲間入りする。
日本でトップの武田薬品は、糖尿病薬アクトスが急増して12.3%増と好調だったが、100億ドルには3.9億ドルほど届かず、16位となった。
バイエル以外に買収が完了したのは、ニコメッド(デンマーク)+アルタナ(独)。ドイツのアルタナの医薬品部門を買収したデンマークのニコメッドはファンドの所有であり(非上場)、2005年には9億ドル弱の売上しかなかったが、アルタナを買収することで44.8億ドルのメーカーとなった。
上位40社のうち、米メーカーが17社を占め、日本が6社、ドイツとスイスが3社で、他の国は2社か1社だけとなっている。
17位のジェネンテックが40%増の92.8億ドル、19位でジェネリック主体のテバ製薬工業は、2005年に買収した米アイバックスのフル寄与で61%増の84.1億ドルとなったため、日本のメーカーでは、アステラスが前年の17位から20位へ、第一三共は20位から22位へ下落した。エーザイはアリセプトとパリエットが好調で2桁増となり、23位を維持した。伸びの目立つのは大塚製薬で、統合失調症薬エビリファイが世界的に好調で売上は18.5%増となり、世界で25位となった。ただ、エビリファイが医薬品売上の約4割を占めており、依存度が高まっている。


海外戦略が成功した大塚製薬はランクを上げる一方で、表の下にある10億ドル台の日本のメーカーは、外資の流通売上がなくなって2桁減となったメーカーが2社あり、塩野義以外は、軒並みランクを下げた。

2.M&Aを発表したメーカーを考慮した2006年医薬品売上ランキング

こちらは、2007年5月20日までにM&Aを発表したメーカーについて、2006年の2社の売上を合計した場合のメーカーランキングである。買収の発表は早くても、2006年にはまだ買収を完了していないメーカーや決算数字を合算していないメーカーも含まれている。
表でM&Aを考慮したメーカーは、表の順で次の通り。

  • アストラゼネカ:メッドイミューンを156億ドルで買収すると発表
  • イーライ・リリー:アイコス(Icos、シアリスのメーカー)の買収を完了⇒ジョイントベンチャーのリリー・アイコスも統合
  • アボット・ラボラトリーズ:コス製薬の買収を完了
  • シェリング・プラウ:オランダのアクゾ・ノーベルの医薬品子会社であるオルガノンを110億ユーロ(144億ドル)で買収すると発表
  • メルクKGaA(独):セローノを買収後、ジェネリック部門売却を発表
  • UCB:シュワルツ・ファルマ(独)の買収を完了(一種の子会社化)
  • マイラン・ラボラトリーズ(米、ジェネリック大手):メルクKGaAのジェネリック部門を49億ユーロ(66.2億ドル)で買収すると発表
  • 三菱ウェルファーマ:田辺製薬との合併を発表(2007年1月)

これらを考慮しても、40位は先の表と同じくバイオジェン・アイデックで、40位内に入る日本のメーカーは、武田が1つ下落して17位となり、合併して誕生する田辺三菱製薬が37位に入るだけで、他の5社(アステラス、第一三共、エーザイ、大塚、中外)のランクは変わらない。
また、40社の売上合計は、先の表でもM&A後の表でも2005年の売上合計比で12.6%程度の伸びとなっており、少なくとも2桁増を達成できなかったメーカーはランクを落とす結果となった。市場が伸びていない日本主体のメーカーでは2桁増は望むべくもなく、有望な新製品がない限り、今後もランクを落とすことになる。
パテントが切れるとジェネリックに切り替わる国の一つであるイギリスでは、長期収載品に頼って生き残ることは不可能なため、既に中堅メーカーはなくなっている。日本においても、ジェネリックの割合が将来的に政府の主導策で30%となれば、イギリス同様に長期収載品主体のメーカーは相当厳しくなることを考慮し、少しでも早く手を打つ必要があるだろう。イタリアでは2001年のジェネリック割合がわずか0.5%から、2006年には13%を超え、イタリアの中堅メーカーも生き残り策を模索しつつある。
参考:このメーカーランキングの詳細(4億ドル以上の世界のメーカーランキング等)は、ファルマ・フューチャー2007年6月号に掲載予定(こちらは有料)。

<本リリースに関する連絡先>
大阪本部 永江研太郎
TEL 06-6202-7787/FAX 06-6202-7786
E-mail: ubinternational@utobrain.co.jp
住所(大阪本部):〒541-0045 大阪市中央区道修町1-7-10 扶桑道修町ビル9F
ユート・ブレーンLLC合同会社


【お願い】
このリリースのデータ等を利用される場合は、必ず、出所(出典)として「ユート・ブレーンの調査による」とご記入の上、上記宛に掲載紙をお送り下さい。
このランキングは毎年、日本経済新聞、朝日新聞、読売新聞、業界紙、週刊東洋経済、「日本の業界地図」(各社の出版物)、医薬品メーカー各社のリクルート用資料などで、広く使われています。厚生労働省の「医薬品産業ビジョン」(今年改定予定)でも使われています。

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